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「冬は気温が低いから大丈夫?」油断しないで冬の食中毒対策は・福島県

2025年2月26日 18:41
「冬は気温が低いから大丈夫?」油断しないで冬の食中毒対策は・福島県
ノロウイルスが原因の食中毒が福島県内でも増えています。
2月中旬、会津地方の県立高校で寮の給食を食べた生徒7人が下痢や吐き気の症状を訴え、検査の結果ノロウイルスによる食中毒と断定されました。給食業務を受託している調理担当者の便からもノロウイルスが検出されたということです。
また2月22日にはいわき市の医療機関の食堂でも、ノロウイルスが原因とみられる集団食中毒が発生しています。

食中毒といえば、梅雨時期や夏のイメージが強いという人も多いかもしれませんが、原因となる菌やウイルスによってはこの時期でも注意が必要です。対策を取材しました。

■郡山女子大学家政学部・食物栄養学科の大西弘太郎教授
「実感としてはノロウイルスを原因とした食中毒が多いというのがあります。冬場だから多い病原体とか、病原体が作り出す毒素もあります」
こう話すのは、郡山女子大学で免疫学を教える大西弘太郎教授です。
なんとなく「食中毒は夏に多い」…そんな印象を持っている人が多いかもしれませんが、原因となる菌やウイルスによっては「冬の食中毒」も多いというのです。
その1つが、二枚貝や排せつ物を媒介して感染が広がるノロウイルス。
2月22日にはいわき市の医療機関の食堂でノロウイルスが原因とみられる集団食中毒が発生。

また煮込み料理などを常温で作り置きすることで菌が増殖する食中毒は冬も例外ではありません。それが「ウェルシュ菌」です。
1月、民間企業の食堂でこの菌が原因とみられる食中毒が確認されています。

■大西 弘太郎教授
「温度にしろ、湿度にしろ、バランスを保ちつつ換気するということになります」

冬も気が抜けない「食中毒」。
飲食店ではどう対策しているのでしょうか。
創業から70年以上、食中毒ゼロのこちらの店。

■三松会館 松崎 昭信会長
「まな板、うちは3枚あるんだよね。肉とか魚とか切った後、野菜切るとダメだから、そこらは注意してるの」
まずはまな板。肉や魚の菌などが生で食べるような野菜に移らないよう使い分けているといいます。
この対策、専門家も有効な方法だと話します。

■松崎会長
「まな板だったら使ったら洗う、包丁だったら洗うだけじゃなくて、それぞれの食材によって包丁を変える。食器も含めて使う度に洗う、そういったのは当たり前のことですよね」

一方で「温度管理」も重要な要素の1つです。
■三松会館松崎 昭信会長
「普通に食べるものは注文の度に炒めて火を入れる」
作り置きしないのはもちろん。すぐに使うような食材でも1つ1つ冷蔵庫で保管し、その冷蔵庫も、2日1回は掃除をしているといいます。
またしっかり食材に火を通すことは、冬であっても「基本のき」です。

■郡山女子大 大西 弘太郎教授
「90度以上で2分間くらい(過熱)すれば、病原体は失活しますので、原則は過熱で大丈夫です」

「冬は気温が低いから大丈夫」と油断せずしっかり対策をしましょう。
最終更新日:2025年2月26日 18:42
福島中央テレビのニュース