“臭いマフィン”約3000個回収へ 重篤な健康被害の可能性も
東京都内のイベントで販売されたマフィンを食べ、下痢や嘔吐などの体調不良を訴える人が相次いでいる問題で、商品が回収される事態になっています。厚労省は16日、重篤な健康被害、または死亡の原因になる可能性が高いとして、約3000個の商品が回収対象であると公表しました。
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都内のイベントで3000個以上を売り上げたマフィン。
しかしSNS上では「納豆のようなにおい」「変な臭いで吐き出したけど腹痛と吐き気」など、“異変”を訴える声が相次ぐ事態となりました。
東京・目黒区の住宅街にある焼き菓子店。店先には「本日のメニュー」が表示されていましたが…
記者(16日)
「『ごめんなさい準備中』と書かれています」
16日はお休みでした。
ウリにしていたのは、防腐剤や添加物を使わず、市販品と比べて砂糖を半分以下にして作ったという焼き菓子です。“子どもも安心”とアピールしていましたが、その商品のマフィンが、いま問題になっているのです。
店は11日と12日、東京ビッグサイトで開催されていたイベントで焼き菓子を販売。マフィンやパウンドケーキがずらりと並んでいました。
しかし、SNS上ではそのマフィンを買った人から「納豆のようなにおいがします」「すごく臭い。手が臭い人が作ったのかな」「糸が引いてた… 吐き出したけど腹痛と吐き気」など、“異変”を訴える投稿。さらに、腹痛などの体調不良を訴える人も相次いでいたのです。
その後、店はSNS上で食中毒が発生したとして謝罪。自主回収を進めるとしていました。
この問題を巡り、16日、厚生労働省はマフィンのリコール情報を公開しました。9種類、約3000個が回収対象だといいます。
健康への危険度は最も上のクラスに分類(CLASS 1)。これはフグなどの有毒魚や毒キノコなどの有毒植物、ガラス片などが混入した食品などと同等で、重篤な健康被害や死亡の原因になりうる状況です。
また、食品衛生法違反のおそれがあるということです。
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なぜこのような事態になったのか。店はSNSで、イベント用のマフィンは「1人で5日間かけて製造していた」と説明。その保管方法については「クーラーをガンガンにかけて、18℃以下を保っておりましたが、外気温が高かったため何個か傷んでしまった可能性がございます」。クーラーを効かせた室内で保管していたということです。
食中毒に詳しい専門家は、まず、その期間を指摘しました。
食品微生物センター 山口憲太代表
「砂糖を少なく使用しているのは、それだけ日持ちが悪くなる。日持ちをしないということを意識して作製しなければならない。時間をかけてたくさん作って、その結果、古いものから問題が起こっていると思う。保管期間が長かったために事故が発生したんだろうと」
さらに、室内での保管についても…
食品微生物センター 山口憲太代表
「結果的に保管方法が不適切だったと。衛生管理に対しての知識や意識が弱かったのかもしれない」
店は16日、日本テレビの取材に対し「ご購入いただいたお客様に大変ご迷惑をおかけして大変申し訳ございません」「お客様への対応を優先させていただきます」とコメントしています。