福岡市では5日、最高気温29.3℃を観測し、実に114年ぶりに11月の最高気温を更新しました。福岡県内各地で異例の暑さとなり、植物にも“異変”が起きています。

11月5日、福岡市中央区の大濠公園では、冷たい飲み物を飲んだり半袖で散歩したりする人の姿が見られました。

■阿部まみキャスター
「夏真っ盛りのような暑さの福岡市内、手元の温度計では、なんと30.5℃をさしています。」

九州北部は高気圧に覆われ、南から暖かい空気が入った影響で気温が上がり、朝倉市で29.7℃、久留米市で29.6℃など福岡県内各地で11月の観測史上最高気温を記録しました。

福岡市も最高気温29.3℃を観測し、11月としては1909年11月9日の28.2℃を上回り、実に114年ぶりに最高気温を更新しました。

■公園に訪れた人
「びっくりですね、なおしているショートパンツも出してきましたもんね。」

■公園に訪れた人
「暑くて汗がたらたら垂れて、顔がテカテカに。やっぱり異常気象だと、なんかちょっとおかしいな～って11月なのに。」

この暑さのなか、福岡市博多区の『ららぽーと福岡』では5日、3歳から11歳の子どもたちを対象としたラグビー教室が開かれていました。スペシャルゲストとして招かれたのは、元日本代表の田村優選手です。

田村選手は2019年のワールドカップで51得点を挙げるなど、日本の司令塔として史上初のベスト8進出に貢献しました。

教室には69人が参加し、ボールの扱い方やタックルの仕方を学びました。

■参加した子ども
「暑いです。11月でも暑いです。」

■参加した子ども
「半袖も暑いです。」
「（暑いけど）ラグビーやっていると楽しい。」

子どもたちはこまめに水分補給をしながら、プロから技を学んでいました。

北九州市八幡西区の『香月市民の森』では紅葉が進んでいる木々もあり、秋らしい景色が広がっていますが、“異様”な光景も見られました。

■重信奈央 記者
「11月にも関わらず、桜の花が一部咲いています。」

春には桜の名所として地元の人に親しまれている公園ですが、1本だけ桜の花が咲いてました。

近くに住む『みーちゃんあいちゃん』さんがジョギング中に見つけ、情報を寄せてくれました。

■5歳
「きれいだと思う。春みたいにあったかいから（咲いたと思う）。」
■80代
「今までここよく通るけど、こんなの見たのことしだけやね。寒いよりはいいけど、ぬくすぎるね。植物は困るやろう。」

思わぬ開花に、地元の人も驚きを隠せません。

映像を、桜の木の専門家に見てもらいました。

■福岡県樹木医会 樹木医・武林晃司さん
「ソメイヨシノですね。」

本来は3月下旬から4月初めごろに咲くソメイヨシノですが、なぜこの時期に咲いたのか、武林さんは次のように話します。

■武林さん
「いわゆる“狂い咲き”という現象ですね。本来は花芽で暑さ・寒さをガードしているはずなんですが。でもそのへんが甘くなってるんですね。」

武林さんによりますと、ことしの夏の暑さなどで『冬眠』に必要なホルモンが出ず、花の芽を守る力が弱くなっていたところに、一時的な暑さがきっかけで勘違いして開花してしまったのではないかということです。今回咲いた花は、来年開花しませんが、他の部分は開花するため、木全体としては大きな影響はないということです。

■児玉悠一朗 記者
「急に横殴りの雨が降ってきました。風もかなり強いです。」

5日の秋空から一転、6日の九州北部は荒れ模様となりました。九州北部は、発達しながら進む低気圧や寒冷前線の影響で、日中を中心に断続的に雨が降りました。

最高気温は行橋市で26.4℃、朝倉市で25.9℃など、8地点で夏日を観測しました。

7日の福岡県内の予想最高気温は21℃前後で、季節外れの暑さは収まる見込みです。