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福岡市のスーパー4店舗で食用油の回収が18日スタート 油はバイオディーゼル燃料に 独自に燃料の研究・改良を続ける運送会社「環境を孫の世代に」

2024年5月17日 19:51
福岡市のスーパー4店舗で食用油の回収が18日スタート 油はバイオディーゼル燃料に 独自に燃料の研究・改良を続ける運送会社「環境を孫の世代に」
スーパーで食用油の回収 バイオ燃料へ

環境に優しい燃料の話題です。家庭で使われた料理用の油がトラックの燃料に生まれ変わります。軽油の代わりとしてディーゼルエンジンで利用できる、生物資源由来のバイオディーゼル燃料。この燃料を作るため、福岡市内のスーパー4店舗で、18日から食用油の回収が始まります。

■阿部まみフィールドキャスター
「イオンのリサイクルステーションの一角にアルミ缶やペットボトルを回収する場所がありますが、その横に食用油を回収するボックスができました。」

福岡市は5年前から区役所などで、家庭から出るサラダ油やオリーブオイルといった植物系の油の回収を行っています。

今回、福岡市の取り組みに賛同したイオン九州の協力で、市内4店舗に回収ボックスが設置されました。

回収は18日に始まり、集められた油は環境に優しいとされるバイオディーゼル燃料に生まれ変わります。

■買い物客
「いいわね。持ってこよう。マンションで燃えるゴミ、燃えないゴミはあるが、その中で油は(回収するところが) ない。」

■買い物客
「チリも積もれば(山となる)ですね。いいことだと思います。どんどん広がっていけばいい。」

■福岡市 ごみ減量推進課・江頭英恵 課長
「市民の皆さんにとってスーパーは身近で利便性が高いところなので、買い物のついでにお持ちいただければ。」

バイオディーゼル燃料とはどんなものなのでしょうか?

トラックにバイオディーゼル燃料を使っている、福岡県新宮町の運送会社「西田商運」を訪ねました。こちらでは福岡市などが回収した油を買い取り、バイオディーゼル燃料を精製しています。

■阿部フィールドキャスター
「トラックのマフラーから出る煙は黒くありませんし、匂いをかいでも気になりません。」

バイオディーゼル燃料は軽油の代わりになるだけでなく、二酸化炭素の排出量が軽油に比べ少ないとされています。

■西田商運エネルギー事業部・野瀬一秀さん
「弊社ではバイオ燃料100パーセントでトラックを運行している。1リットル使用するたびに2.57キログラムのCO2(二酸化炭素)削減になる。」

西田商運では20年以上、独自にバイオ燃料の研究・改良を続けています。使っているのは植物系の油だけではありません。

なんと、豚骨ラーメンのスープも燃料に再利用しているんです。

およそ10年前、知り合いのラーメン店から飲み残しの豚骨スープの処理に困っているという相談を受けた西田商運は、スープに含まれるラードを取り出し燃料にする技術を開発しました。植物系の油と合せて燃料にしています。

西田商運では保有するおよそ170台のトラックのうち40台ほどにバイオディーゼル燃料を使っていて、今後も台数を増やしたいとしています。

■野瀬さん
「環境を孫の時代、 次世代につなげればいいと、この取り組みを続けている。」

使わなくなった食用油でトラックを走らせる。身近なところから始められる取り組みが地球を救うかもしれません。

福岡市で食用油をリサイクルするための捨て方をまとめました。

①まずはペットボトルの中をゆすいで乾かしてください。

②油は十分に冷まし、天かすなどの固形物は取り除いてください。

③ペットボトルに油を移し替え、漏れないようにしっかりフタを閉めてください。

油にもいろいろな種類があり、回収していない油もあるので注意が必要です。

福岡市が回収しているのは常温で液体の植物系油で、サラダ油、ごま油、オリーブオイルなどです。賞味期限切れでも大丈夫です。

一方、バターやラードといった動物系の油、ドレッシングやラー油、灯油などは回収していません。

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