若者がSNSを通じて犯罪に加担する、闇バイトをきっかけにした事件が後を絶ちません。久留米市の高校では8日、警察による出前授業が県内で初めて開かれました。

■中村安里アナウンサー
「こちらの高校では、高校生を対象に現役の警察官が 闇バイトに関する講座を行っています。」

8日、久留米市の南筑高校で、福岡県警として初めての出前授業が開かれました。その名も「闇バイト加担防止講座」です。

■久留米市 青少年育成課・本山和貴 課長補佐（福岡県警から派遣）
「即日即金、高額収入、割のいいバイトとか。こういう甘い言葉が書かれているのは、絶対に危ない仕事です。」

参加したのは、卒業を控えた3年生230人です。この講座が高校で開かれたのには、理由があります。

2022年度中に特殊詐欺で検挙された少年の数は全国で473人で、SNSなどを通じて犯罪に巻き込まれる若者が増加しているからです。

福岡県内では8日、闇バイトをきっかけに事件に関与したとみられる、福岡市内の高校に通う18歳の少女が逮捕されました。警察によりますと、少女は去年12月、福岡市西区の80代の女性のキャッシュカードを不正に入手し、コンビニエンスストアのATMで3回にわたり、あわせて50万円を引き出した疑いが持たれています。

調べに対して、少女は容疑を認めたうえで「SNSで調べていたら自分にもできそうな仕事があったので応募した」と話していて、「闇バイト」をきっかけに犯罪に加担したとみられています。

講座では、実際に起きた事件を紹介しながら注意を呼びかけました。

■本山さん
「もう闇バイトに手を出すとですね。 もう犯罪組織に警察に逮捕されるまで、何度も何度も使われてしまいます。だからもう最初の一歩ですね。 踏み出さないようにしてほしいと思います。」

■高校3年生・塩谷映太郎さん
「短期間で高収入という闇バイトに手を出してしまったら、今までの人生やこれからの人生が台無しになっていくと思うので、絶対にしないようにしたいです。」

闇バイトは軽い気持ちで応募したつもりが、重大な犯罪に巻き込まれる危険があります。福岡県警では楽して稼げるなどの甘い誘いに乗らないでほしいと呼びかけています。