“魔の7歳”「一人歩きデビュー」の新1年生を交通事故から守る “子どもの目線”を知り備える3つのポイント
新入学シーズンを前に子どもの交通安全についてです。親の手を離れ「一人歩きデビュー」をする小学生が増える時期、交通事故に遭いやすいことから“魔の7歳”と言われています。児童を守るために必要なこととは。
25日、北九州市小倉北区の光沢寺保育園では、交通安全教室が開かれていました。
■元木寛人フィールドキャスター
「こちらの保育園では、この春、小学生になる園児たちに警察官が交通指導をしています。」
■警察官
『と』は、とび出さない。皆さんがとび出すと、車の運転手もびっくりしてしまいます。絶対にとび出さないようにお願いします。」
警察官から基本的な信号の見方や、横断歩道を渡るときの注意点を学んだあと、子どもたちはさっそく外へ。
■警察官
「いま青やけん、渡ってみようか。手を挙げて。来てないね。渡ってみよう。」
春から通う小学校の通学路で、学んだことを確認しながら、警察官と一緒に歩きました。
■園児
「とび出さないことを教わりました。」
「手を挙げて渡りました。」
■小倉北警察署・佐藤大輔 交通1課長
「小学校に上がるタイミングで交通事故が増える傾向にありますので、交通安全教育で気をつけていきたい。」
福岡県警によりますと、去年1年間で起きた中学生以下の子どもの歩行中の事故では、“魔の7歳”にあたる小学1、2年生の死傷者数が飛び抜けて多くなっています。
子どもの事故に詳しい専門家も“魔の7歳”、とくに小学生になったばかりの時期は事故が増えやすいと注意を呼びかけています。
■大阪大学大学院 子どもの安全ラボ・岡 真裕美さん
「7歳はだいたい小学校1年生。今まで保育園、幼稚園、こども園で未就学児としてずっと保育士や保護者がついて送り迎えをしていたり、どこに行くにも大人がついていたという状態。1年生になったとたんに、1年生になったんだから一人で行動できるよねとか、目と手を離しがちというのが7歳。一人で子どもだけで行動することが増えることから、事故に遭いやすい。」
子どもに交通ルールを理解させるためには、大人も一緒に考える必要があるといいます。
■岡さん
「まず、子どもの通学路を保護者と子どもで一緒に歩いてみるというのが大事かなと思います。子どもにいつも歩いてるように歩いてごらんみたいな感じで、親がちょっと後ろに立つ、後ろに回って歩くと、 子どもってすごく危ない行動をしながら学校に行ってるなとか。ここは危ないからこうしなさいというところがわかったり。何気なくいつも通っていたけれど交通量多いね、バイ クが来るねというのを親も発見するというのが大事かなと思います。」
痛ましい交通事故を防ぐため、まずは大人が、“子どもの目線”を理解して備えることが大切です。
この「“子どもの目線”を理解して備える」とは具体的にどういうことなのか、改めて3つのポイントにまとめました。
1つ目は『通学路を一緒に下見する』ということです。子どもと一緒に確認することで、その場所では子どもがどんな行動をとるかが分かります。
それによって『ここは車通りが多い』とか『ここは左右の見通しが悪い』など、危険な場所に気付くことができます。
2つ目は『あいまいな言葉ではなく細かく具体的に』ということです。交通ルールを教える際に、例えば横断歩道を渡るとき、ただ「よく見て!」ではなく「車がどれくらい離れていなければ危険」などと具体的に教えることが必要です。
3つ目は『大人の“当たり前”は子どもにとって当たり前ではない』ということです。道路の「止まれ」の標識や車の方向指示器やバックランプの意味など、大人にとっては常識のため、子どもに教えていないことが多いといいます。
岡さんはこうしたポイントをしっかり押さえて、子どもが交通ルールをきちんと守れるように習慣づけてあげてほしいということです。