イオン九州で有料レジ袋が紙袋に! “脱プラスチック”の動き進むもコスト面に課題
イオン九州は、10月5日から有料のプラスチック製レジ袋を、紙袋に切り替えます。3年前のレジ袋有料化以降、“脱プラスチック”の動きが進んでいますが、一方で課題も浮き彫りとなっています。
■阿部まみキャスター
「お会計を済ませた後、きのう(4日)まではこちらのプラスチック製のレジ袋でしたが、きょうからは紙袋に変わりました。」
九州内の『イオン』や『イオンスタイル』全67店舗で、10月5日から始まったこの取り組みは、水分が出やすい食品を除く、衣料品や日用品の売り場が対象です。
これまでのプラスチック製レジ袋はSとMが3円、L以上が5円で提供されていましたが、紙袋は小が11円、中・大・特大が22円で提供されます。
■イオンショッパーズ福岡店・吉竹知恵美 店長
「2030年までに使い捨てプラスチック使用量を、2018年の半分に減らす取り組みをしています。」
イオン九州では、この取り組みにより、年間で約156トンのCO2削減を見込んでいます。
2020年7月から全国一律で有料化されたプラスチック製のレジ袋ですが、3年が経過して、街の人の意識に変化はあったのでしょうか?
■20代
「かばんが大きい時はできるだけもらわずに自分のかばんに入れようとするんですけど、小さい時とか手ぶらの時はついついもらっちゃいます。」
■40代
「買い物行く時は、前にもらったレジ袋を持っていくようにしています。使える物は使おうかなと。有料化になって意識しています。」
政府が去年行ったアンケートでは、『以前からレジ袋を辞退している』人と『有料化後からレジ袋を辞退している』人をあわせると、全体の60パーセント以上に上っています。
福岡市・天神に本社を構える『ピエトロ』では、次のような取り組みも行っていました。
■ピエトロ SDGs推進室・長坂沙知子さん
「このレジ袋、何からできていると思いますか?」
■阿部キャスター
「手触りはちょっとザラザラしますね。甘い香りがします。」
■長坂さん
「レジ袋にお米のマークがあるように、実はこれ、不食米のお米から作られるライスレジンという袋なんです。」
■阿部キャスター
「お米からできているんですか。」
ピエトロでは、食用にならない古い米や米のかけらを原料にしたレジ袋を、おととしからレストランやショップの物販コーナーで導入しています。
■長坂さん
「農家さんが大事に育てたお米を有効活用できないか、フードロス削減の取り組み、CO2削減の取り組みで何かできないかということで、ライスレジン袋を使うことになりました。」
業務用の包装紙や弁当容器を販売している業者でも、環境へ配慮した取り組みが行われていました。
■阿部キャスター
「こちらは何ですか?」
■パッケージプラザ シキ博多店・志岐義之さん
「サトウキビからできた環境対応商品です。最近はよく売れている商品です。」
近年は、“脱プラスチック”を意識した商品への問い合わせが増えてきたといいます。
ただ、課題はコストです。例えばレジ袋だと、植物などを原料としているバイオマス素材の商品は、従来品の価格の1.5倍です。最近よく見るようになった紙製の弁当箱の価格は、プラスチック製の2倍です。
■志岐さん
「問い合わせはあるが、単価の問題で実際にお客さんが買うかというとそうではない。コーヒー1杯に10円のストローを使えるかということになりますよね。」
志岐さんによりますと、環境に配慮した商品を購入したくても、費用面で諦める業者が多いといいます。
“脱プラスチック”が進む一方で、コストとのバランスという難しい課題も見えてきています。