旦過市場火災で全焼 老舗映画館『小倉昭和館』にフィルム映写機が到着 12月の再建へ
去年、北九州市の旦過市場で起きた火災で全焼し、12月の再建に向け歩みを進める老舗映画館『小倉昭和館』についてです。さまざま人たちの支援で10月31日、上映に欠かせない映写機が映画館に届きました。
10月31日、クレーンが引き上げていたのは、重さ200キロのフィルム映写機です。北九州市の小倉昭和館に、映画の上映で最も大切な機材『映写機』が、ようやく届きました。
■昭和館 映写担当マネージャー・里 直樹さん
「映写機に対しては、本当に来てくれてありがとうって気持ち。」
去年8月、旦過市場一帯を襲った火災で全焼した小倉昭和館は、北九州市で唯一のフィルム映画を上映する映画館として80年以上の歴史がありました。しかし、火災で2台あった映写機も失いました。
10月4日、昭和館の里直樹さんと、三代目館主で母親の智巳さんの姿は、大阪の映像機器を扱う会社にありました。火災をニュースで知った会社から、フィルム映写機を寄贈したいと申し出があったのです。
イタリア製の35ミリフィルム映写機は、阪神淡路大震災からの復興のシンボルとして立ち上がった映画館で使用されていましたが、経営難で閉鎖後、活躍の場をなくし、ここで10年以上保管されていました。
■映像を寄贈する『モノリス』・松田敬さん
「震災がらみで閉めたところ(映画館)の映写機を復興のため、次のところに持って行って稼働させた。今度は火災で。」
■小倉昭和館 3代目館主・樋口智巳さん
「また命を吹き返して。」
映写機を目の前に、直樹さんは笑顔を見せていました。
■里 直樹さん
「かっけー。かっこいいですね。」
「実際見ると、実感というか、かっこいい。」
そして10月31日、大阪から8時間かけて大切に運ばれてきた映写機が小倉昭和館に到着しました。
■里 直樹さん
「復興シンボルとして、思いも継いできた、(思いが)たくさん詰まったものですので。思いを継いで映画をかけていけたらなと思います。」
小倉昭和館は12月8日と9日にプレオープンし、その後、12月20日から営業を再開する予定です。