給食のウズラの卵で小1男児が窒息死した事故から1年 父親が手記「息子よ、帰ってこい」小中学校で追悼集会
福岡県みやま市の小学校で、男子児童が給食をのどに詰まらせ亡くなった事故から、26日で1年です。市内の小中学校では追悼の集会が開かれ、再発防止への思いを新たにしました。
事故の起きた学校とは別の、みやま市の小学校では、全校児童が黙とうを捧げました。その後、給食委員会の児童たちが「よくかんで食べる」「一度につめこまない」といった、給食を安全に楽しむための7つのルールを発表しました。
事故が起きたのは、2024年2月26日の給食時間でした。当時、小学1年の男子児童が給食の「みそおでん」に入っていたウズラの卵をのどに詰まらせ、亡くなりました。
子どもたちが楽しみにしている給食で起きた、あってはならない事故から1年。亡くなった児童の父親が報道機関に手記を寄せました。
『息子の名前を何回も叫び続けたが全く反応しませんでした。手を見ると力強くにぎりこぶしをしていました。助けて、助けて、生きたい、生きたいと一人で頑張っていたのだと思います』
『助けてあげたかった。そして、もう一度息子と話をしたかった』
『息子よ、帰ってこい。息子を返してください』
学校給食での死亡事故は、過去にも相次いでいます。2010年には栃木県真岡市で、小学1年生が給食の白玉をのどに詰まらせて意識不明となり、2013年に死亡しました。
2015年には大阪市の小学1年生がウズラの卵をのどに詰まらせて亡くなり、2021年には新潟県佐渡市で小学5年生が給食のパンをのどに詰まらせ死亡しています。
文部科学省の「食に関する指導の手引」には、給食時の窒息事故防止について項目があります。しかし、「よくかんで食べるよう指導する」「担任が注意深く様子を観察する」といった記載にとどまっていて、実際の指導や見守りの方法は現場に任されています。
事故を受けて、みやま市教育委員会が設置した調査委員会は2024年12月、再発防止策をまとめました。その中では、教員を対象とした救命講習を拡充することなどを求めています。
■みやま市教育委員会・待鳥博人 教育長
「対応策については(調査委員会から)7つの提言をいただきましたので、それを中心に対応策について検討し、ほぼ作成を終えているところです。」
みやま市では今後、できるだけ速やかに再発防止策をまとめ、公表したいとしています。