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佐賀県の今季初『鳥インフルエンザ』確認を受け 福岡県でも広がる生産や販売の現場の不安

2023年11月27日 18:08
佐賀県の今季初『鳥インフルエンザ』確認を受け 福岡県でも広がる生産や販売の現場の不安
佐賀の“鳥インフル”確認で福岡でも不安

佐賀県の養鶏場で25日、今シーズン全国初となる鳥インフルエンザが確認されました。福岡県の養鶏場ではこれまで感染は確認されていませんが、生産や販売の現場には不安が広がっています。

■井本志保理 カメラマン
「白い防護服を着た作業員が殺処分を続けています。」

佐賀県鹿島市の養鶏場で鳥インフルエンザの感染が確認されました。今シーズン、全国初の感染確認です。

佐賀県は24時間態勢でニワトリの殺処分を行い、26日午後、約3万8000羽の処分を終えました。

処分したニワトリや卵を密閉容器に入れる作業を終え、現在は養鶏場を消毒しています。

また、この養鶏場から約1.5キロ離れた場所でカラスの死骸が見つかり、簡易検査で鳥インフルエンザの陽性が確認されたことから、佐賀県は野鳥の監視も強化しています。

佐賀県での発生を受け、福岡県でも25日、緊急の対策会議が開かれました。

■福岡県 農林水産部・重吉俊二郎 部長
「県としても発生防止に向けて、養鶏農場に対して現地指導を強化するなど、緊張感を持って防疫対策の徹底を図っていく。」

福岡県によりますと、県内すべての養鶏場を含む139の農場では、27日までに異常は確認されていません。それでも福岡県の養鶏場は、警戒を強めていました。

■野上養鶏場・藤井豪 社長
「これは石灰ですね。これをまくことで消毒を意味する。建物の周り全体にまいて、消毒しています。」

福岡県鞍手町の『野上養鶏場』では、7万5000羽のニワトリを飼育していて、1日約6万5000個の卵を生産しています。

『野上養鶏場』では、通年で消毒や人の出入りを制限しているほか、鳥インフルエンザの本格的な流行を前に、10月から鶏舎の周りに石灰をまくなど、感染防止に向けた対策を徹底していました。

■藤井社長
「外部の人の出入り、車両のタイヤ回り。あとは野鳥、小動物がどういう状況で(ウイルスを)持ち込むか分からないので、外部からの侵入を特に気をつけて、限られた人間だけで作業をしている。」

昨シーズンは鳥インフルエンザによって全国で過去最多の1771万羽が処分され、福岡県でも養鶏場や農場で約33万羽が処分されました。

今シーズン初となる佐賀県での感染確認を受け、藤井社長は警戒を強めています。

■藤井社長
「怖いなと。ついにこのシーズンが来たんだなと。(佐賀県は)近いし、全社員に言っているが、気を引き締めてやっていかないと、『あすは我が身』じゃないですけど、 気を引き締めてやっています。」

一方、気になるのが、卵の価格です。去年の夏からことし11月にかけての価格の推移です。昨シーズンの鳥インフルエンザの影響で卵不足が深刻となり、ことし3月には1キロあたり345円と過去最高値を更新しました。その後、価格は徐々に下がり、11月は267円になっています。

27日、福岡市内のスーパーマーケットを訪ねました。

■元木アナウンサー
「きょうはセールということで、Mサイズの卵10個入り、160円で販売されています。」

通常価格でも10個入り247円と、現在は価格が落ち着いていますが、昨シーズンは鳥インフルエンザの影響で品不足に陥ったといいます。

■エムズ 美和台店・久松浩一 店長
「ことし1月には商品自体があまり入ってこなくなった。値段も税込み300円を超えて、今までではありえない値段で販売していました。夏前から値段が落ちてきて、数量も入るようになってきましたので、特売も値段を下げて販売しています。」

店長の久松さんは、佐賀県での発生を受け、再び卵不足に陥ることを心配していました。

■久松店長
「売る物がなかったら一番お客さんに迷惑をかけますので、高くてもいいので安定供給ができれば助けになるので。これ以上、広がらないような対策をしてもらえれば。」

■買い物客(60代)
「いやですね。肉だけじゃなくて卵に影響がでるから、そうすると全部に影響しますよね。お菓子もそうだしパンもそうだし。大変だと思います。」

今シーズンに入り、養鶏場で初めて確認された鳥インフルエンザにより、生産者だけではなく消費者にも不安が広がっています。

養鶏場の人が心配されているのが『風評被害』です。ぜひ正確な情報に基づいて行動してください。

消費者庁によりますと、ニワトリの肉や卵を食べることで、ヒトが鳥インフルエンザに感染する可能性はありません。また、鳥インフルエンザに感染したニワトリの肉や卵が市場に流通することはありません。

消費者庁は市場に出回っている鶏肉や卵は安全なので、冷静に対応するよう呼びかけています。

気になる卵の価格の推移ですが、去年の秋ごろから上がりはじめ、ことし3月には過去最高値の1キロあたり345円の値をつけました。それから徐々に下がり、11月は267円になっています。

価格の急騰の要因は、飼料の高騰など様々ですが、鳥インフルエンザも影響を与えています。

昨シーズンは、去年10月に国内1例目が岡山で発見され以降、ほぼ全国で鳥インフルエンザが発生し、ことし5月までの間に過去最多の1771万羽が処分されました。

今後はどうなるか、福岡県養鶏協会の徳永隆康会長は、「昨シーズンの流行を受け、卵を輸入している。すぐに卵不足に陥ることはなく、現時点では価格が高騰する状況ではない」と話しています。

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