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「国際社会が声を上げて」ガザ出身男性が平和訴え 福岡市・天神でパレスチナ人などが抗議デモ

2023年11月27日 18:07
「国際社会が声を上げて」ガザ出身男性が平和訴え 福岡市・天神でパレスチナ人などが抗議デモ
福岡市・天神でパレスチナ人などが抗議デモ

イスラエル軍とイスラム組織・ハマスの軍事衝突で、パレスチナ自治区・ガザ地区では多くの市民が犠牲になっています。27日、戦闘休止期間が最終日を迎える中、延長されるかが焦点です。休戦を停戦につなげてほしいと訴える声が福岡からも上がっています。

■デモ隊
「フリーフリー、ガザ。」

福岡市・天神にシュプレヒコールが響きます。25日、福岡や佐賀に住むパレスチナ人や市民団体のメンバーが、ガザ地区で多くの民間人が犠牲になっていることに抗議の声を上げました。

■ガザ地区出身(佐賀市在住)ムテール・サミさん(45)
「私たちすべてのパレスチナ人が求めているのは、まずは正義、次は自由、パレスチナの自由、その次は平和。イスラエルが求めているのは、もし求めているとしても、最後の平和だけです。」

衝突の背景に、イスラエルによる“占領”とパレスチナの“抵抗”の歴史があることを知ってほしいと呼びかけたのは、ガザ地区出身のムテール・サミさん(45)です。

2004年に佐賀大学大学院に留学し、現在は佐賀県内の機械メーカーで働いています。

ムテールさんが見せてくれたのは、今もガザにいる母親やきょうだい、親族とのグループチャットです。

■記者
「何と書いてある?」
■ムテール・サミさん
「おはようございます。『おはようございます』のメッセージが届くと生きているという意味です。」

現地は通信状況が悪い上、充電もままならず、短いメッセージが生きていることを知らせる手段になっています。

家族は、イスラエル軍がガザ北部の住民に南部への移動を勧告した後も北部に残っていましたが、11月中旬、南部への避難を決心する出来事があったといいます。

■ムテール・サミさん
「(イスラエル軍が)教室の中に爆弾を落として。私の(通っていた)中学校。その状況を見てもう怖すぎて、やっぱり間違いじゃなく、もうはっきり民間人が狙われている。」

多くの民間人が避難していたムテールさんの母校はイスラエル軍の空爆を受け、少なくとも数十人が死亡したと報じられました。

民間人の犠牲が増える中、イスラエルと、『イスラム抵抗運動』を意味するアラビア語の頭文字をとった『ハマス』は、一時的に戦闘を休止し、双方の人質の一部が解放されています。

ムテールさんは、今回の戦闘休止を『停戦』につなげるには、日本をはじめ国際社会がもっと圧力をかけるべきだと訴えます。

■ムテール・サミさん
「日本人の皆さんはこの戦争を止めるように大きな声を出してください。日本政府がプレッシャー、イスラエルに戦争を止めるようにプレッシャーをかけましょう。」

平和を求める訴えは、別の場所でも行われていました。

25日、福岡市美術館では、“ある映画”が上映されました。ガザ地区の普段の生活を描いたドキュメンタリー映画『ガザ 素顔の日常』です。夢を追う若者や穏やかな家庭が、戦闘によって壊される様子が描かれています。

上映会を開いたのは、福岡県糸島市の映画配給会社『ユナイテッドピープル』です。代表の関根健次さん(47)は、24年前にガザ地区を訪れた経験があります。

■ユナイテッドピープル・関根健次代表(47)
「ガザ地区は福岡市とほぼサイズが一緒、人口は220万人くらい。私たちと全然変わりなく、大学生が将来の夢はこんなふうになりたいとか、お母さんが自分の娘たちのことを心配してみたりとか、ひょうきんなタクシーの運転手とか。」

この映画の撮影に携わったカメラマンの親族も、今回の空爆に巻き込まれ、命を落としました。

■関根さん
「現在31歳のユーセフという若者。ユーセフの奥さんの甥っ子さんは、避難先で空爆で殺されてしまった。彼が何を悪いことをしたんだって言うんだと。彼がもしこの世界において悪いことをやったとすれば、それはおもちゃを何回か壊したことぐらいだよと。やっぱり戦争そのものを止めなければいけない。憎しみの連鎖、報復の連鎖を断ち切らなければいけない。」

ガザ地区の日常を描いたドキュメンタリー映画の上映は、予定も含めると全国100か所ほどに拡大しているといいます。

■映画を鑑賞した人
「本当に胸が締めつけられる感じがしました。」

■映画を鑑賞した人
「考えるだけではなく、どう行動していくのかと考えさせられた映画でした。」

遠く離れた場所での出来事と目を背けず、平和のために何ができるのか考えてほしいという訴えが、福岡のまちにも響いています。

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