オスプレイ配備計画進む佐賀県で不安広がる 屋久島沖に墜落受け 飛行訓練は中止に
11月29日にアメリカ軍のオスプレイが鹿児島県の屋久島沖に墜落した問題についてです。乗っていた8人のうち1人の死亡が確認され、残る7人の捜索が続いています。陸上自衛隊のオスプレイ配備計画が進む佐賀県では、不安が広がっています。
■神崎慎治カメラマン
「屋久島空港東側の海岸付近です。現在、自衛隊や米軍ヘリなどによって、捜索活動が続けられています。」
墜落から一夜明けた30日午前8時半ごろ、アメリカ軍のオスプレイが墜落した現場周辺では、行方が分からない乗組員の捜索が行われていました。
墜落した機体はアメリカ空軍の横田基地所属で、山口県にあるアメリカ軍の岩国基地から沖縄県の嘉手納基地に向かう途中でした。
乗組員8人のうち1人が死亡、7人の行方が分かっていません。
アメリカ国防総省は、「定期的な訓練任務を行っていたところで事故の原因は現在のところ不明」と発表しています。
陸上自衛隊のオスプレイ配備計画が進む佐賀県では29日夜、山口知事が報道陣の取材に応えました。
■佐賀県・山口知事
「何が起きたのかと強い関心をもっているので、そこを早く分かるように、防衛相には米軍とよく話をして情報提供をしてほしいと思います。」
■阿部まみキャスター
「佐賀空港の隣では、新しい駐屯地の建設に向け、このように工事車両が次々と出入りしています。建設工事は着々と進んでいるようです。」
オスプレイが配備される予定の佐賀空港の西側の土地では、新たな駐屯地の建設工事が進んでいて、オスプレイの駐機場や格納庫・火薬庫といった施設が整備される予定です。
■神崎カメラマン
「陸上自衛隊のオスプレイが駐機しています。」
30日、佐賀県吉野ヶ里町の目達原駐屯地には、日の丸が描かれたオスプレイが止まっていました。千葉県の木更津駐屯地所属の機体で、29日に続き、佐賀県内での訓練飛行が予定されていましたが、事故を受け中止になりました。
12月3日に開かれる目達原駐屯地の創立69年を祝う式典で、デモフライトを予定していましたが、これも中止が決まっています。
■佐賀県民(70代)
「県民としては(配備)賛成のほうなんですけどね。事故が無いようにしてもらわんといかんからね。しばらく検討してからのほうがいいんじゃないかと思うんですけどね。」
■佐賀県民(20代)
「あまり身近に考えられてなかったんですけど、そういうこともあるんだなというのは、怖いですね。」
■阿部キャスター
「オスプレイ反対派の団体が要望書を携えて、佐賀市役所に到着しました。」
30日午後2時半すぎには、市民団体がオスプレイ配備の受け入れ撤回と、住民説明会の開催などを求める要望書を佐賀市に提出しました。
団体は、佐賀県にも同じ要望書を提出するとともに、九州防衛局に対してはオスプレイの即時飛行停止と、駐屯地の建設工事をやめるよう求める要望書を提出しました。
■みんなでSTOPオスプレイ佐賀・山下明子 共同代表
「佐賀空港のそばの有明海に落ちるというイメージととても重なった。人ごとではないなと感じました。」
佐賀空港に配備されるオスプレイについては、防衛省の計画によりますと、悪天候時には、民間の飛行機と同様のルートを飛行するとされています。福岡県の柳川市やみやま市などが、そのルートに挙げられています。
柳川市とみやま市はFBSの取材に、市民の安全安心が最優先事項として、九州防衛局に原因究明と詳細な情報提供を求めるとしています。
防衛省は、今回の事故を受けても、オスプレイの佐賀空港への配備計画に変更はないとしています。