【証言】姉を手にかけた“強盗殺人” “強盗致死”の罪に問われた知人が出廷「大親友です」「お金を借りに行くと思っていた」5000万円以上を受け取ったとされることについて「ホームレスで狙われるので」福岡地裁小倉支部
2023年6月、福岡県水巻町で姉を殺害し、通帳を奪ったなどの罪に問われている女の裁判です。9日、証人として共犯者とされる知人の女が出廷し、事件当日の状況を語りました。
■検察官
「辻被告とはどんな関係ですか。」
■岡村恵美被告(47)
「大親友です。」
強盗殺人などの罪に問われている住居不定・無職の辻和美被告(52)の裁判員裁判。9日、検察側の証人として、辻被告の「共犯者」とされる岡村恵美被告(47)が出廷しました。
起訴状などによりますと、辻被告は2023年6月、岡村被告と共謀し、福岡県水巻町の町営住宅で、姉のつぐみさん(当時52)に催涙スプレーを噴射した上、首を圧迫して殺害し、通帳を奪い、およそ103万円を引き出したなどの罪に問われています。
一方の岡村被告は「殺意はなかった」として、強盗致死の罪で起訴されています。
法廷にはお互いが見えないよう仕切りが置かれました。
岡村被告とその家族が、辻被告からこれまでに5000万円以上の金を受け取っていたことについて問われると。
■岡村被告
「辻被告はホームレスです。狙われるので、(金を自分たちのところに)一時、入れていた。」
辻被告からの入金の頻度については。
■岡村被告
「あります。毎日あります」
毎日、入金があったと説明しました。岡村被告はその上で、手にした金はすべて辻被告に返していたと話しました。
岡村被告は事件当日、辻被告を催涙スプレーを購入した店や、現場近くまで車で送迎したとされています。法廷で「辻被告が、姉のつぐみさんにお金を借りに行くと思っていた」と説明しました。
また、岡村被告は事件直後に辻被告から聞いた当時の状況を次のように証言しました。
■岡村被告
「(辻被告が)台所に入ったときに(つぐみさんに)投げられたので首を絞めて、気絶しているつぐみさんを居間に運んだ。息を吹き返したから、慌てて全体重で首を絞めたと言っていました。」
ただ、岡村被告はその後、辻被告がこの話を「冗談」だと言ったため、そのように思っていたと説明しました。
これまでの裁判で殺害行為について否認している辻被告は、岡村被告の証言を終始、表情を変えることなく聞いていました。
判決は8月1日に言い渡されます。