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「助けてくれて本当にありがとう」2人が迎えた特別な日 コロナ助成金詐欺で披露宴の直前に式場が事業停止

2025年3月3日 18:11
「助けてくれて本当にありがとう」2人が迎えた特別な日 コロナ助成金詐欺で披露宴の直前に式場が事業停止

福岡県久留米市の結婚式場運営会社、アルカディアが破産申請の準備を進めていることを受け、挙式や披露宴が突然中止となったカップルは不安な日々を過ごしています。支援する動きも広まるなかで、1組の夫婦が2日、特別な日を迎えました。

福岡市博多区にあるホテル、ウィズ ザ スタイル フクオカのチャペルには、披露宴を行うキャロル・カーターさん(23)と璃咲(りさ)さん(22)夫婦の姿がありました。

披露宴を直前に控えた先週、2人は大きなトラブルに見舞われました。

■新婦 キャロル・璃咲さん(22)
「アルカディアの件でいろいろあって、一時は式ができないのではと心配しましたが、きょうは感謝の気持ちを伝えられたらと思います。」

当初、2人はアルカディアが運営する会場で披露宴をする予定でした。

福岡・佐賀で5つの結婚式場を運営するアルカディアを巡っては、多額の国の雇用調整助成金をだまし取った疑いで、元社長と幹部らが相次いで逮捕されました。

福岡労働局は助成金の支給を取り消し、違約金を含めおよそ12億円の返還を命じ、アルカディアは2月25日に事業を停止。「挙式・披露宴・宴会が全て実施できなくなりました」と明らかにしました。

披露宴4日前の突然の知らせでした。2人は結婚式場の紹介窓口を訪ね、たどり着いたのがウィズ ザ スタイルでした。そして2日、披露宴を延期することなく、無事に開くことができました。

ウィズ ザ スタイルは、2人がアルカディアに支払う予定だった同じ料金で、披露宴を受け入れることを決めたのです。

■新郎 キャロル・カーターさん(23)
「皆さん、きょうは来てくださってありがとうございます。ウィズ ザ スタイル、助けてくれて本当にありがとうございます。」

披露宴の演出も、2人がもともと計画していた通りに実現できました。

■璃咲さんの友人
「こちらからも何でも手伝うよとお声かけして。でも全部自分たちで決めていて、すごく安心しました。もう眼福です。一生の宝物になりました。」

■璃咲さんの母・松本理恵さん
「電話で泣きながら『結婚式ができない』と言われ、できないと思っていたのですが、皆さんのおかげで本当に胸がいっぱいです。」

ウィズ ザ スタイルによりますと、挙式や披露宴ができなくなったという問い合わせは、およそ50件と増えています。今後も、カップルの予算や規模などに応じて、柔軟に対応していきたいとしています。

■カーターさん
「完璧な結婚式ができました。本当にうれしいです。」
■璃咲さん
「式場を探すのを手伝ったり、心配の声、気にかけてくれるメッセージもいただいたりしました。トラブルがあったからこそ乗り越えて、いろんな方々の愛と優しさを感じました。特別な日になりました。」

予想外の困難を乗り越えて迎えられた、特別な一日。多くの人に支えられた感謝の気持ちを忘れずに、2人は夫婦として歩んでいきます。

最終更新日:2025年3月3日 18:11
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