【みんなで防災プロジェクト】安芸高田市の避難所運営とは? 誰もが過ごしやすい避難所へ
広島県内の自治体が災害に備えてどんな対策をしているのか、シリーズでお送りしています。今回は安芸高田市です。目指すのは避難しやすい避難所。その工夫を取材しました。
■安芸高田市 危機管理監 危機管理課 國岡浩祐 課長
「こちらから受付をしていただいて、一般の方はこの先の大きなホールに避難していただきます。」
■広島テレビ 塚原美緒 気象予報士・防災士
「だいたい何人くらいの方が入れるんですか?」
■安芸高田市 危機管理監 危機管理課 國岡浩祐 課長
「そうですね、施設全体では約1000人が避難していただくことができます。」
安芸高田市役所に隣接する市民文化センター、クリスタルアージョ。普段はコンサートや講演会などに使われ、災害時には、市内で最も大きい避難所となります。
避難者の滞在スペースはホールだけではありません。
■安芸高田市 危機管理監 危機管理課 國岡浩祐 課長
「身体的に配慮が必要な方について、避難していただくスペースになっています。」
施設にある和室では、高齢者や身体の不自由な人などの受け入れを想定しています。目指すのは、誰もが過ごしやすい環境づくりです。
2021年8月。線状降水帯が発生し、600ミリ以上の雨が降りました。市内を流れる多治比川が氾濫。一帯が水につかりました。
■安芸高田市 危機管理監 危機管理課 國岡浩祐 課長
「日があけて、一気に避難者がいらっしゃいました。そのときに、ここまでたくさんの避難者の受け入れをしたことがなかったものですから、受け入れ自体にとまどった。それから物資も途中で足りなくなったりしました。」
避難者は、一時400人を超え、一人一人の事情を考慮した対応は、困難だったと言います。その反省を踏まえ、すぐに取り組んだのが、個別の空間を確保する「ゾーニング」です。
■広島テレビ 塚原美緒 気象予報士・防災士
「テントがたくさん!」
■安芸高田市 危機管理監 危機管理課 國岡浩祐 課長
「そうですね、こちらのテントが、この1つに4つ区切ってありまして、この広さで4つの部屋として使えます。」
間仕切りテントを16セット購入し、合計64部屋。さらに、独立したテントも27張り揃え、合わせて91のプライベート空間をつくりました。
■安芸高田市 危機管理監 危機管理課 國岡浩祐 課長
「色んな方に配慮するスペースの重要さだったり、それから感染症対策、こういった2つを対応するところが増えまして、できる範囲で最大限の努力をさせていただくようにできるよう、現在取り組みをさせていただいております。」
テントの中には、床で寝ても身体を冷やさないよう、ベッドも準備しました。さらに、すべての職員が設営方法を理解できるよう、マニュアルの動画を作成。年に一度、大雨シーズン前に訓練を行っています。
また、『非常食』についても取り組みを進めています。
■安芸高田市 危機管理監 危機管理課 國岡浩祐 課長
「現在ですね、アレルギーに対応する食事を備蓄させていただくようにしています。例えば、粉ミルクだったり、こちらの食事はアレルギー対応になっています。」
ごはん類の非常食で、アレルギー対応のものは全体の6割。今後も増やしていく予定です。
■安芸高田市 危機管理監 危機管理課 國岡浩祐 課長
「避難所の環境、それから災害時の対応をよくしようという、避難時の対応に目を向ける職員も増えてきてると、被災を経験することで、少しずつ変わってきていると思います。適切な避難で、犠牲者ゼロになるように、ご理解いただきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。」
【テレビ派 2023年9月28日放送】