創立150年を迎えた広島大学 「この地を活性化してほしい」 ともに歩んだ地域の発展を目指す【アナたにプレゼン・テレビ派】
広島テレビのアナウンサーが、気になるテーマを自ら取材して、お伝えする『アナたにプレゼン』。今回プレゼンするのは、木村和美アナウンサー。創立150年を迎えた広島大学がもたらす地域の発展についてプレゼンします。
広島テレビの番組出演者の中で、プロ野球解説者で元カープ選手の野村謙二郎さんや、『テレビ派 』でコメンテーターを務めた女子100m ハドラーの木村文子さん、西名みずほアナウンサーに、塚原美緒気象予報士の4人が、広島大学、及び大学院の卒業生または在学生です。
広島大学はこれまでに、学部生・大学院生・そして前身校を合わせた25万人以上の卒業生を送り出してきました。前身校で最も古く創立された白島学校の歴史と合わせて150年となることを記念して、先日式典が行われました。
150周年を祝うために、卒業生らによるトークショーや、記念コンサートが行われました。岸田文雄前首相も登壇し、関係者や学生たちに向けて祝いの言葉を述べました。広島にある国立大学として、100年後も輝き続けられるよう、決意を新たにしました。
広島大学はもともとあった9つの前身校がひとつになり、1949年に開学した県内で唯一の国立大学です。戦後の広島で国立大学を設立するために、県内外から寄付を募りました。まさに、地域に支えられて誕生した大学です。
国公立大学では全国で3番目の広さを誇る東広島キャンパスには、教育学部や理学部など8つの学部があります。そして、広島市南区の霞キャンパスには、医学部や歯学部といった医療系の学部があります。
現在およそ1万人の学生が学ぶ広島大学は、街づくりにも大きく関係しています。メインキャンパスがある東広島市の人口を見ると、広島市からのキャンパスの移転が決まった1970年代はおよそ10万人でしたが、2020年の時点でおよそ20万人と倍に増えています。
大学と地域の発展について、第12代学長の越智光夫さんに話を聞きました。
■広島大学 越智光夫学長
「(広島大学は)中四国の中心の大学になる。地域と共に歩む。国際性豊かな大学。平和な大学であるということで、その理念とともに、広島大学は県民市民の方と一緒に歩んできた大学。」
広島大学は掲げてきた構想の中で、東広島市と協力しています。JR西条駅と大学を結ぶ自動運転バスの実証実験を行うなど、地域の発展を目指しています。
■広島大学 越智光夫学長
「大学が持っているシーズ、種ですね。行政が持っている行政のシーズをうまく組み合わせながらですね、スマートシティ、カーボンニュートラルの町というのを目指していこうということで、一緒に取り組んでいます。」
さらに、半導体の研究を得意とする広島大学は、東広島市内に工場を持つアメリカ大手の「マイクロン」や国内外の大学と連携。最先端産業を通じて、地元で技術者たちの雇用が期待されています。
■広島大学 越智光夫学長
「広島大学から新しいイノベーションは生まれてくるんじゃないかと思いますし、町全体で見るとですね、もう熊本市がですね(半導体企業の進出で)大きく様変わりしているんですね。そういう風な活気のある町に、東広島市もなっていくんじゃないかという風に思っています。」
一方で、2023年春には法学部を東広島キャンパスから、広島市の東千田キャンパスに移し、28年ぶりの「都心回帰」となりました。新しくできた建物には、市民も使用できる交流スペースが設けられました。創立150年は、地域とともに歩んだ歴史でもあります。
越智学長に、大学が今後目指す姿について聞きました。
■広島大学 越智光夫学長
「地域に愛され、世界から選ばれるような大学を目指してやっていきたいという風に思っています。世界に羽ばたいていってほしいんですけれど、また(広島に)帰ってきてですね、卒業生がこの地を活性化してくれるようになったらいいなという風に思います。 広島のために、広島大学は何をできるのかというような視点で、色々考えてはいきたいという風に思っています。」
大学は人材の育成だけではなく、地域の発展を担う重要な役割を果たしています。今後も、広島が誇る広島大学と、その街づくりに注目です。