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【特集】消えゆく書店 瀬戸内の島にオープンしたのは新スタイルの個性派書店

2024年6月24日 20:56
【特集】消えゆく書店 瀬戸内の島にオープンしたのは新スタイルの個性派書店

インターネット通販や電子書籍の普及にともない、書店の数は年々減少しています。そんな中、これまでのスタイルにとらわれない、新たな”まちの本屋さん”が
瀬戸内の島にオープンし注目を集めています。

広島県江田島市にある1軒の古民家。中には、およそ400冊の書籍が並びます。
ことし3月にオープンした書店「MIN-NANO BOOKS」(ミンナノブックス)です。店内では「立ち読み」ならぬ「座り読み」が可能。コーヒーを飲みながら、
気になる本をゆっくり試し読みすることができます。

■女性客
「ゆっくりいい時間をもらってます。デジタルよりも紙の(本の)時間を増やしたいですよね」

そして、”客同士で”おすすめの本をシェアします。

■店主 正田創士さん「今まで読んだ本の中で一番おすすめ、よかったよっていう本をこの『推しリレーノート』に書いていただいていまして」

誰でも自由に書き込めるノートには、それぞれの、お気に入りの本の感想が
記されています。店の品揃えは、このノートを元に、考えているといいます。

■店主 正田創士さん
「ひとりひとり、それまでの人生でストーリーがあって、ノートを通じて共有できたら素敵なことはないんじゃないかという思いで始めました」

ユニークな店がオープンした一方で、全国で、書店の数は減り続けています。2013年に1万5600店舗あまりあった店は10年間でおよそ3割減少。広島でも、10年間で136店舗が減りました。

呉駅前にある商業施設。この場所に、2005年にオープンした大型書店が、
5月末、閉店の日を迎えました。

■女性客
「幼稚園の頃からずっと通っていたので結構悲しいです」
■女性客
「呉市から本屋がどんどん少なくなってしまって、買いたい本も少なくなって見つからないので悲しいです」

■店長の店内アナウンス
「♪お客様にお知らせ申し上げます。当店は間もなく閉店いたします。長年のご愛顧、本当にありがとうごいました。ちょっとウルッときたんで…」

呉市出身の大下さんは、この店で8年間店長を務めました。

■大下博昭店長
「やっぱり呉市の市況がどうしても厳しくなったというのがあってこちらも一生懸命頑張ったんですけどご期待に応えることができなかったかな…」

閉店した店舗の一部のコーナーを別の店に移し、営業するということです。

■閉店の挨拶
「みなさま、ありがとうございました」

江田島市の「MIN-NANO BOOKS」(ミンナノブックス)。
この日、1人の女性が、自費出版した書籍を持ち込んでいました。

■中村淳子さん(呉市在住)
「私が60歳の時にニュージーランドへ2か月ホームステイをした時に書いた日記を出版しました。子育て終わったくらいの人たちに読んでいただきたいなと思って」

この店では、利用料を払うと、本棚の一区画を自由に使うことができます。目指すのは、これまでの書店の在り方にとらわれない空間です。

■店主 正田創士さん
「とにかくお客様を増やしたいっていうことよりも、この場所を必要としてくださっている方を少しずつでも増やしていけたらいいなぁと。ゆっくりできる場所として定着するとというところを目指してやっていきたい」

書店を取り巻く厳しい状況が続くなか、新たなスタイルで営業を始めたまちの小さな本屋さん。市民にとっての憩いの空間を目指します。

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