高校野球強豪校・広陵高校野球部 受け継がれる先輩の思い 強さのヒミツは「感謝の気持ち」にあった!【アナたにプレゼン・テレビ派】
広島テレビのアナウンサーが、気になるテーマを自ら取材して、お伝えする『アナたにプレゼン』。有田優理香アナウンサーが3月18日に開幕した春の選抜高校野球についてプレゼンします。
伝統の強豪校 広陵高校野球部
今回は、中国地区代表の広島県の広陵高校をプレゼンします。100人が鍛錬に励む広陵高校野球部は、「センバツ」に3年連続27回目の出場を果たしました。2023年はベスト4。2003年以来の優勝を目指し、3月21日に初戦を迎えました。
■広陵高校野球部 只石貫太主将
「バッテリーを中心とした守りと、バッティングではつなぐ打線が強みだと思っています。」
■広陵高校野球部 高尾響選手
「去年のセンバツはベスト4で悔しい思いをした。悔しさを晴らす場面がもう1度できたので、悔しさをぶつけて、日本一になれるようにやっていきたいと思っています。」
広陵高校は、中国大会では堂々の3連覇を成し遂げました。今回センバツに出場する学校の中で、最多出場回数を誇ります。
注目は、只石捕手と髙尾投手のバッテリーです。髙尾投手は入学直後からエースナンバーの背番号1を背負う右ピッチャーです。最速148キロのストレートが持ち味で、2023年は春夏連続で甲子園のマウンドを経験するなど実績は十分です。この強力バッテリーを軸に、粘り強いプレーが期待されています。
広陵高校野球部の強さのヒミツ、ここにアーリー!
広陵高校の強さのヒミツは「ありがとう21」です。広陵高校は「ありがとう」がキーワードになっています。監督室にも、選手たちの帽子にも「ありがとう」の文字が書かれています。練習中にミスした選手は「すみません」でなく「ありがとう」と言っているそうです。また、「21」には、語呂合わせで「日本一」という意味のほかに、「ベンチに入れなかった21人目の選手」を意味しています。広陵高校野球部は、100人を超える部員で、8割以上の選手がベンチ外から試合を見ることになります。ベンチに入れなかったメンバーは、大会中のボールボーイや宿舎でのサポートなど、試合に出場する選手たちを支えます。「ありがとう21」には、「支えてくれるメンバーを大切にしてほしい。感謝の気持ちを持ってほしい」と中井監督の思いが込められています。
「21人目の選手」の思いは先輩たちも一緒で、広陵では3年生が夏の大会が終わり、引退した後も、一緒に練習に励む姿を見ることができます。これは、広陵伝統の光景です。
センバツが決まった際には、後輩たちから先輩への感謝の言葉が、そしてその先輩たちからはエールが送られました。
■広陵高校野球部 下級生
「3年生の皆さん。ありがとうございました。」
■広陵高校野球部 中井哲之監督
「まずはボンズから英語で!」
■広陵高校野球部 真鍋慧選手
「HELLO! 甲子園では自分たちが成し遂げられなかった日本一を必ず取ってください。」
■広陵高校野球部 小林隼翔前主将
「感謝の気持ちを忘れないでほしい。野球ができるのは、たくさんの方々の支えや応援があるからできていて、高校球児の夢の舞台の甲子園を経験できるのは、限られた人しかできないので、感謝の気持ちを忘れないでほしいと思います。自分たちが成し遂げられなかった春の日本一と、中井先生を必ず日本一の男にしてください。」
感謝の思いは「物」にも受け継がれる
感謝の思いは、物にも受け継がれています。選手たちが普段身につけている練習着は、基本的には上級生のおさがりです。物を大切にしようという中井監督の教えもあります。練習着の背中には、複数の生徒の名前が記されています。下級生が憧れの先輩にもらいに行く姿もあれば、前主将の小林選手が、現主将の只石選手に日本一達成の思いを託して、練習着を渡すこともあります。
そして卒業生たちも「21人目の選手」の思いを持っています。広陵出身の現役プロ野球選手14人いますが、全国大会出場が決まるとOBたちがお金を出し合い、お祝いの品を贈ります。2023年はジャージのズボンでした。野村祐輔投手は、憧れの金本知憲さんが現役選手の時に同様にお祝いをしてもらったことがあり、次は自分の番として、後輩たちにお祝いをしています。
目標はズバリ!!
最後に、広陵高校の目標は、もちろん「センバツ優勝」です。普段支えてくれている人たちに、感謝の気持ちを持って「恩返し」したいと話しています。
広陵は、雪がちらつく3月21日に四国王者の高知高校と初戦を迎え、見事勝利を収めました。2回戦は青森山田高校と対戦します。日本一を期待して、広島から熱いエールを送りましょう!
【テレビ派 2023年3月19日放送】