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結婚・出産後の現役女性アスリートたち 育児と競技の両立どうする 【アナたにプレゼン・テレビ派】

2024年3月16日 8:00
結婚・出産後の現役女性アスリートたち 育児と競技の両立どうする 【アナたにプレゼン・テレビ派】

広島テレビのアナウンサーが、気になるテーマを自ら取材して、お伝えする『アナたにプレゼン』。有田優理香アナウンサーが、女性アスリートのキャリアについてプレゼンします。

結婚と出産で、キャリアを諦めるアスリートも…

女性の社会進出と共に結婚・出産を経て復帰する流れは加速しつつありますが、スポーツの世界では、出産や子育てを経て、再びアスリートとして活躍する例はまだ少なく、「出産・結婚=引退」という考え方も根強い印象があります。

広島に拠点を置く女性アスリートたちは、どのように思っているのか聞きました。ダイソー駅伝部の池崎愛里選手は「競技と育児を両立するのは大変だと思う。もし自分が同じ立場だったら、引退を考えるかもしれない。覚悟と周囲のサポートが必要だと思う。」と、ハードルの高さを話しました。また、オリンピックに3大会連続で出場し、2023年に引退したホッケーの三橋亜記さんは「結婚・出産をして続ける選手が、周りにほとんどいなくて、そのハードルの高さ、引退のイメージも強かった。」と、話していました。

結婚と出産後に、復帰したアスリートも!

一方で、出産や子育てを経て、第一線で活躍するアスリートがいます。陸上100mハードルの元日本記録保持者の寺田明日香選手です。結婚・出産を経て、より陸上に対して前向きに捉えられるようになった寺田さんの姿は、後輩たちにもいい刺激になります。

広島にも、出産を経て復帰したアスリートがいます。育児と競技の両立の現状について、セーリングの淺田愛子選手に話を聞きました。第1子出産を機に、1度は引退を決断しましたが、家族の後押しが決め手で復帰し、2022年には国体にも出場しました。しかし、育児と競技の両立は簡単ではありませんでした。

■セーリング 淺田愛子選手
「子どもがいるときといないときでは、練習できる時間が変わってきていて、授乳の関係で少ししか海で練習できない。1部練習で次の授乳に戻らないといけない。時間的にもかなり短くなった。」

2023年12月に第2子を出産し、今は国体に向けて少しずつトレーニングを再開しています。

■セーリング 淺田愛子選手
「1人目の時よりも、2人目の出産後の方が体の戻りが遅くて、すんなり戻らず苦戦中です。今回は2人いるのでさらに大変だが、それでも挑戦したいのが自分の思い。家族や周りの力を借りてやってみようかなと思っています。」

現在、2歳と0歳のお子さんを育てている淺田選手のスケジュールを見ていきます。第1子を出産した後、国体を目指していた時の練習のスケジュールの一例です。朝6時頃に起きて家事などをした後に、練習が午前10時から午後3時ぐらいまであります。練習時間中は、家族が一緒に練習会場に行って、お子さんを見ながら練習をしています。出産前は夕方も練習ができましたが、今は家事に加えて子育てもしつつ、午後10時ぐらいには就寝となりますが、就寝後は授乳や夜泣きの対応で、なかなか睡眠時間がしっかりと取れないスケジュールです。淺田選手は「体が大事になるアスリートが、練習時間をいかに確保するのが大変だが、それに挑戦したい。」という思いも話していました。

アスリートがいつでも復帰できるように!

様々な競技でサポート体制があります。日本セーリング連盟では、2002年から国体の大会会場にチャイルドルームを設置しています。そして、女子プロサッカーのWEリーグでは、妊娠や出産後も現役を続けるための産休制度を導入しました。出産を理由に休んだ選手に関しては、選手登録ができない期間中でも、自分の戻りやすい時期に復帰することができるようになりました。メディアでも「ママさんアスリート」という言葉をよく耳にしますが、「パパさんアスリート」とは聞くことがほとんどありません。「ママさんアスリートが特別ではない」という考え方に基づいた環境作りをしていくことが、当たり前になる支援や体制が整うように、それぞれでいろんな取り組みをしています。

一方で年齢を考慮し、新たな決断で現役を続行したアスリートが、広島ガス所属のスノーボードオリンピック銀メダリストの竹内智香選手です。2020年秋、卵子凍結をしたと公表しました。

■広島ガス 竹内智香選手
「長く競技を続けるために、卵子凍結をすることによって、より安心して競技と向き合える。プレッシャーや焦りから解放される。私にとってはすごくありがたかったし、この時代に生きているからこそできた選択肢だったと思っています。」

■広島テレビ 有田優理香アナウンサー
「卵子凍結のメリットは?」

■広島ガス 竹内智香選手
「時間的猶予ができた。卵子をタイムカプセルに置いてきたような気持ちで、もう1回取りにいけるんだと思えたことは、ある意味ひとつの保険みたい感じです。」

現在も第一線で活躍し、「年齢を重ねてどこまで自分がチャレンジできるかわくわくできる」と前向きに競技に取り組む竹内選手が行った卵子凍結は、将来の妊娠に備え、卵巣から採取した卵子を凍結保存する技術です。がん患者が治療後も妊娠できるように行われてきましたが、近年は出産可能な年齢を延ばす目的で、健康な女性が行うケースも増えています。ただ、必ず妊娠できる保証はありません。

竹内選手も理解した上で、「凍結した卵子で100%妊娠が成功するとは思っていなくて、これはあくまで保険のようなもの。」とした上で、「この選択が、世の中の女性に選択肢の1つとして知ってもらえるきっかけになれば嬉しい。」と話していました。また、「女性1人1人が、子育て・出産を経験しながらも、自分のキャリア・人生を大切にできるようになることは、卵子凍結以上に大切なこと。」と話しました。アスリートにとっても、様々な選択肢が広がってきています。今後多くの女性アスリートが生き生きとした選手生活と、ライフプランが両立しやすくなる動きが広がることを願います。

そして広島テレビは、3月末に美と健康と食の体験型イベント「フェムミナーレ」を開催します。詳しくは広島テレビのホームページをご覧ください。

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