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白バイ「特別訓練員」広島県警29歳巡査長の挑戦!

2024年9月17日 18:58
白バイ「特別訓練員」広島県警29歳巡査長の挑戦!

日ごろ、交通違反の指導や取り締まりに当たる白バイ隊員。その中で、さらに選抜された隊員が「特別訓練員」です。訓練員として技術の向上に励んでいる29歳の巡査長が大会に挑む姿を取材しました。

■特別訓練員
「お互いに礼。お願いします」

午前7時。訓練場に集まったのは、交通機動隊の「特別訓練員」です。白バイ隊員の中から技能や適性を判断され、選ばれました。ことし任命されたのは6人。キャプテンを務めるのが吉本和矢巡査長です。

■吉本和矢巡査長
「大学生の時に天皇皇后両陛下を 先導している白バイ隊員を見て、”かっこいい、自分も白バイ隊員 になりたい”という簡単な思いから警察官を志望した」

「特別訓練員」は、重さ300キロ以上の白バイを自在に操れるよう運転技術を磨きます。そのため半年間は、現場から離れ訓練にあたります。

■織田孝幸コーチ
「(特別訓練員は)交通機動隊員の技術力の向上・ 継続のために訓練をしている安全講習だったり、警察署の方々の指導などに引き継いでいく」

どんな道でも、正確で安全に走行できる運転技術が求められるため、常にバランスを保った状態で操縦できるよう練習を重ねます。
この他、災害現場を想定した訓練もあります。変化する交通環境の中で最適な判断を下し、バイクを操縦していきます。悪条件の中を進むのは至難の業です。

■吉本和矢巡査長
「自分も今2年半やってきたが2年くらいやって、やっと乗れるようになってきたかな」

今では難なく乗りこなす吉本巡査長ですが、去年は…
うまくいかず、監督から厳しい指導を受けました。

■上森史雄監督
「遅い。上げ始めが遅い。まだ手前」

努力を重ね吉本巡査長は、2年連続で全国大会の代表に選ばれました。全国大会には「特別訓練員」の中から2人だけが出場できます。

■吉本和矢巡査長
「全国大会は団体は入賞。個人も総合入賞したいと思っている。プレッシャーではあるが一般隊員の方々のおかげで練習することができたので、自信をもって大会に臨みたい」

■特別訓練員
「いただきます」

訓練漬けの中、一息つけるのは昼食の時間。しかも愛妻弁当です。

■吉本和矢巡査長
「彩りや栄養とか考えて作ってくれました」
Qお味は?
「美味しいです」
Qみなさんから見て吉本巡査長はいかがですか?
■粕川和晃巡査長(特別訓練員二年目)
「オンオフの切り替えがあって言う時はちゃんと言う。ゆるいときはちゃんとゆるくいいキャプテンです」

■吉本和矢巡査長
「いいキャプテンです」

家族よりも多くの時間を過ごすチームメイト。支え合い切磋琢磨する日々です。
先週、広島県警の白バイ隊員が運転技術を競う大会が開かれました。そこに吉本巡査長の姿がありました。

■吉本和矢巡査長
「全国大会前の大会ということで しっかりここで一番をとって、 いい気持ちで大会に臨めるように今日一日頑張りたいと思っています」

吉本巡査長が参加した種目には元・特別訓練員の隊員など37人がエントリー。1チーム4人による団体戦で、個人の合計点で競います。

■大木晋 交通部長
「普段の訓練で培った高度なテクニックを披露していただくことを期待しております」

競うのは2種目。まずは、障害物に接触せず走行し速さを競う「スラローム走行」。精密なハンドルさばきが求められます。
吉本巡査長はトップバッター。走るのは一度きりです。

■審判
「よーいスタート」

勢いよくスタートし、磨いてきた運転技術でコース内を的確に走ります。
急なカーブも全身を使ってバイクを操ります。
そして素早く走り抜けゴールしました。

しかし…
バイクが障害物にあたり倒していました。大きな減点です。
次の競技は「一本橋走行」。幅30センチの台をいかに低速で安定して走れるかを競います。今大会の平均タイムは16.6秒です。
気合を入れ直して挽回を狙います。

■吉本和矢巡査長
「入ります。後方よし」

記録は5.8秒。

■吉本和矢巡査長
「くそ~、うわ~」

結果は、個人・団体ともに入賞を果たせませんでした。

■吉本和矢巡査長
「やり切れたので悔しい気持ちもあるけど、前向きな気持ちでもう切り替わっています」

悔しさを胸に、来月12日から始まる全国大会に向け、特訓の日々が続きます。

【2024年9月17日 放送】

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