「賛否の判断材料そろいつつある」流水型ダムで一部が水没 五木村振興策を国と県が提示
国が川辺川に計画している流水型ダムにより一部が水没する五木村の地域振興に関する要望に対して5日、国と熊本県が回答しました。五木村の木下丈二村長は、ダム計画への賛否について「判断材料がそろいつつある」という認識を示しました。
5日の会合では、五木村の要望に対してまず、国土交通省九州地方整備局の森戸義貴局長が木下丈二村長らに回答を伝えました。
■国交省九州地方整備局 森戸義貴局長
「ひかり輝く五木村の実現に向けて、4つの柱を立て、熊本県、五木村の皆様と共にいただいた要望内容について取り組んでいくことをお約束申し上げます」
国が示した4つの柱は、川辺川上流の土砂流木対策など「安全安心の確保」、豊かな暮らしを作るためのインフラの整備・維持管理、流水型ダムの特徴を生かした
地域振興の推進などです。
また、地域振興の実現に向けて、企業誘致や住まいの確保のための平らな土地の整備を急ぐことを約束しました。
続いて熊本県の回答では、蒲島知事が12項目の回答書を手渡しました。
■蒲島郁夫知事
「県としては、全ての要望について真摯に向き合い、最大での対応を行なう事をここにお約束いたします」
県の回答では、村の安全安心の確保、新たな産業の創出などが示されています。
■五木村 木下丈二村長
「今回、国と県から新たに振興についての考え、回答をいただきましたので、判断材料はそろいつつあると思ってます。住民には一回集まっていただく機会が必要かと思っていますので、これから検討していきたいと思っています」
五木村は、国が示した環境影響評価準備レポートと今回の回答を踏まえ、村議会での審議や住民説明会などを経て、流水型ダムへの賛否を示すということです。