上司のパワハラで自殺 遺族が賠償求めた裁判で被告の広域連合は棄却求める 夜勤明けに自宅で長時間指導
菊池広域連合消防本部に勤務していた男性が上司のパワハラによって自殺した男性の遺族が菊池広域連合を相手取り約1億1800万円の賠償を求めた裁判が始まり、被告側は請求の棄却を求めました。
この裁判は、2020年菊池広域連合消防本部に勤務していた男性が、上司からのパワハラを苦に自殺し遺族が損害賠償を求めているものです。
訴状によりますと男性は、上司から夜勤明けに自宅で長時間にわたる業務指導を受けたり、別の部署に配属された後も担当ではない台帳の整理をさせられたりしたということです。
男性は2020年1月にうつ病などと診断され入院。3か月後に職場に復帰しましたが、再び入院し自殺しました。遺族は菊池広域連合が安全配慮義務を違反したなどとして、あわせて約1億1800万円の賠償を求めています。
この問題をめぐっては、2021年3月に第三者委員会が上司の言動をパワハラと認定し、自殺との因果関係を認めたほか、去年7月には公務災害としても認定されています。
4日の裁判では、被告の菊池広域連合は出廷しませんでしたが、答弁書で請求を棄却するよう求め争う姿勢をみせました。菊池広域連合はKKTの取材に対し、「係争中のためコメントは差し控える」としています。