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熊本県総合防災訓練に初参加 海上自衛隊大型輸送艦「しもきた」内部に潜入

2024年12月20日 19:10
熊本県総合防災訓練に初参加 海上自衛隊大型輸送艦「しもきた」内部に潜入
能登半島地震では道路の寸断で集落が孤立し、救援が届かない課題が浮き彫りになりました。災害で天草・水俣地域が孤立した場合にどう備えるか、大型輸送艦などを使った熊本県総合防災訓練が19日、行われました。

天草郡苓北町の九州電力苓北発電所の岸壁に停泊したのは、海上自衛隊の大型輸送艦「しもきた」です。全長約180メートルの船体から降りてきたのは、自衛隊や民間の災害対応車両です。

熊本県総合防災訓練は、能登半島地震で道路やライフラインが寸断されたように、天草・水俣地域が災害で孤立したとの想定で実施されました。日奈久断層帯を震源とする最大震度7の地震と津波が起きた場合に備えて、海から人員や車両を投入する訓練を行いました。

熊本県の訓練に初めて参加した大型輸送艦「しもきた」の内部を特別に見せていただきました。医務室には手術台を備え、被災者の治療にあたることができます。

こちらはベッドが並んだ部屋。この部屋は通常は使われませんが、災害が発生した時に応援に来た自衛官が過ごすだけでなく、避難者にも提供されます。
■案内した自衛官
「合計6つ、このような部屋がありまして、 330名ほど収容することができます」

今回の訓練で使ったのは大型輸送艦だけではありません。陸でも海でも走行できるホバークラフト「エアクッション艇LCAC」。海上を走り、海岸からそのまま上陸することができます。孤立した地域に大型輸送艦が停泊できる岸壁がなくても、人や重機を投入するのが目的です。

訓練では物資を運ぶ車両など5台が上陸。上天草市の樋合漁港から大型ドローンで約20キロ離れた樋島まで物資を運びました。

■亀崎直隆副知事
「様々な輸送手段を利用した個別地域への海、空からのアプローチ。これはこれから貴重な経験になると思っています」

天草や水俣地域を孤立させない。熊本県は、訓練で見えた課題を共有し、さらなる防災力の強化につなげたいとしています。

最終更新日:2024年12月20日 19:25
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