"過去最強クラス"台風10号の風速25メートル以上の暴風域に入った県内。台風が接近した天草市では、午前8時に最大瞬間風速27メートルを観測しました。

さらに降り始めから29日午後5時まで雨の量は、球磨郡湯前町で508ミリ、五木村で327.5ミリなどとなっています。

各地で川も増水しました。玉名市の境川などでは一時、氾濫危険水位を超えました。

各地で被害も出ています。熊本市西区島崎では、風にあおられて倒れたとみられる門が市道をふさぎ、市が撤去しました。熊本県によりますと、氷川町で避難所から荷物を取りに帰った80代の女性が転倒し、左足を骨折するなど4人がけがをしています。

ライフラインにも影響が出ています。天草市では…。
■宮澤圭太アナウンサー
「正午過ぎの天草市の旅館の中です。1時間ほど停電が続いていまして、エレベーターのボタンもつかないようになっています」

■有江武利カメラマン
「電線が切れています。付近一帯が停電しています」

■住民
「電気が全くつかない。防災無線でさえ役に立たない」

九州電力によりますと、29日午後5時時点で、天草市で約6500戸など熊本県全体で約1万戸が停電しています。

■有江武利カメラマン
「信号が消えています。風で90度曲がっています」

熊本市では…。
■森田愛梨記者(NNN取材団)
「ペットと同伴できる避難所に来ています。こちらにも犬を連れて避難している人がいます」

県内では午後4時時点で40市町村で避難指示が発表されていて、約9200人が避難しています。

台風10号は、30日明け方にかけて県内に最も接近する見込みです。

県内では30日、多いところで1時間に50ミリの非常に激しい雨が予想されています。30日午後6時までの24時間に降る雨の量は、多い所で250ミリとなる見込みです。

台風の動きが遅く、長い時間にわたって非常に強い風やうねりを伴った大しけが続くおそれがあります。30日にかけて低い土地の浸水、河川の増水や氾濫、土砂災害に厳重に警戒してください。