毎日新聞社 9月末で富山県内配送を休止 全国初
毎日新聞社は17日、富山県内での新聞の配送を2024年9月末で休止すると発表しました。県内での発行部数の減少などを理由としていて、配送を止めるのは、富山県が全国で初めてだということです。
毎日新聞は17日の朝刊で、富山県内での配送を今年9月末をもって休止すると発表しました。印刷・輸送にかかる経費が増えたことに加え、県内での発行部数の減少傾向もあり、これまで通りの配送体制を維持することが難しくなったと説明しています。
毎日新聞社が公表する資料では、2023年上期における県内での朝刊販売部数は840部で、全国では、沖縄県に次いで少ない部数でした。配送を休止するのは富山県が全国で初めてで、販売店には既に説明したということです。
一方、富山支局を拠点とした県内の取材体制は維持して全国紙の役割を果たすとし、10月以降の富山の記事については「デジタル」や全国版で発信するとしています。
インターネットやスマートフォンの普及など、新聞をとりまく環境が大きく変化し、国内の発行部数は減り続けています。日本新聞協会のまとめでは2023年10月時点の県内における日刊紙の発行部数は、10年前に比べて2割以上減りました。毎年1万部近く減少している計算になります。
こうした中、全国各地で新聞の値上げが行われています。地元紙の北日本新聞社は7月から朝刊の月ぎめ購読料をおよそ2割値上げ4000円としました。理由について「用紙やインクといった原材料費がかつてないほど高騰し印刷工場の電気料金や配達にかかる燃料なども軒並み上昇したため」などと説明しています。