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備蓄米放出でどうなるコメの価格 専門家「価格高騰の抑制につながる」

2025年3月17日 19:46
備蓄米放出でどうなるコメの価格 専門家「価格高騰の抑制につながる」
富山県産米を含む政府の備蓄米の落札結果が先週公表され、15万トンのうち94.2パーセントにあたる14万トンあまりが落札されたことがわかりました。 今回の落札は、コメの価格高騰の抑制につながるのでしょうか。助田記者のリポートです。

宇都宮大学・小川真如助教「落札状況を見る限りはですね、今回の入札に関しては成功だったというふうに評価しています。」

コメの生産や流通に詳しい宇都宮大学の小川真如助教です。

今回の入札について、徐々にコメの不足感の解消や価格高騰の抑制に向かうと評価しました。

農林水産省によりますと、備蓄米として売り出されたのは全国41品種で、今月12日までに初回分15万トンのうち94.2パーセントにあたる14万1796トンが落札されました。

加重平均価格は60キロあたり税抜き2万1217円でした。

小川助教はスーパーでのコメの価格がすぐに下がるわけではなく、まずは外食産業などから効果が表れるだろうと話します。

小川真如助教「外食、特に仕入れのお米の値段が上がって苦労している、しかもお客さんに今までと同じ値段で食べてもらいたいということで経営努力でなんとかしのいできた外食産業、定食屋さんだとかがなんとかこの現状をしのげるという形になるんじゃないかなと思います。一方で消費者からすると食べに行っても外食の値段変わらないわけですのでなかなか値下がりを実際の金額として実感するのは難しいかもしれません。」

小川助教は富山県内のコメの動向について、不透明な部分が多いとしながらも、近隣都市圏のコメの価格が下がることで、その後、県内の価格も下がると予想しています。

小川真如助教「名古屋方面だとか大阪方面に富山県のお米というのは、よく出ているという実態がありますので、そういった実態を踏まえると備蓄米の影響でお米が都市部でより食べやすくなって、その影響で富山でも食べやすくなるというような形で、どちらかというと直接的な効果というよりも間接的な効果ですね。都市部でのお米の価格高騰感が抑えられるかどうかっていうのが重要なポイントになってくるのではないかなと思っています。」

消費者としては「早くスーパーで安いコメを買いたい」と思いがちですが、小川助教は「備蓄米がスーパーで極端に安く、バーゲンセールのように売られてしまうと一時的な目玉商品にとどまり、政策の効果が限定的になってしまう」と指摘します。

備蓄米は早ければ今月下旬にもスーパーなどの店頭に並ぶ見通しです。
最終更新日:2025年3月17日 19:46
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