黒部峡谷トロッコ電車 猫又駅での乗り降り可能に
黒部峡谷鉄道のトロッコ電車は、能登半島地震の影響で宇奈月駅と猫又駅での区間運転を余儀なくされています。
少しでも観光客に黒部峡谷の魅力を感じてもらおうと折り返し地点の猫又駅で、これまではできなかった一般客の乗り降りを5日から期間限定で解禁します。
ピンチをチャンスに変える取り組みを小丸記者が取材しました。
トロッコ電車で知られる黒部峡谷鉄道は宇奈月からおよそ14キロ上流にある鐘釣橋が能登半島地震による落石の被害を受けました。
橋の上の山の斜面では長さ14メートルの岩の塊がずれたことがわかり、復旧工事のため、トロッコ電車は今シーズン、欅平までの全線開通を断念し、宇奈月駅と猫又駅の間を往復運転しています。
黒部峡谷鉄道の10の駅のうち観光客が乗り降りできるのは4駅で、猫又駅など6つの駅は、工事関係者だけが使用していました。
今シーズン、猫又駅では、列車は到着して2分後にそのまま折り返し運転に。
”秘境”にある駅に降り立ち峡谷の自然を感じる体験をしてもらおうと、黒部峡谷鉄道は新たにおよそ100メートルにわたって木製のホームを作りました。
5日からは、観光客も乗り降りできおよそ20分の間、周辺を散策できるようになります。
「駅には展望台も設けられました。まもなく訪れる紅葉も楽しめそうです」
展望台も新たに設けました。
例年10月下旬から11月中旬にかけて見ごろとなる黒部峡谷の紅葉を目当てに訪れる海外観光客に向けた取り組みです。
また、猫又駅は全国で名前に「猫」の字が付くただひとつの駅とされることで、猫とネズミをモチーフにした撮影スポットも設置しました。
【黒部峡谷鉄道谷本悟チーフマネージャー】
「全線開通にまたなれば、この駅では、再度降りられなくなると、こういう意味では、期間限定といいますか、非常に貴重な体験・経験を今していただけるんじゃないなと思っています」
今シーズンの営業は11月30日までで、猫又駅での乗り降りは来シーズン以降に全線開通するまでです。