登山道の整備や維持・管理についてお伝えしているシリーズ「山と人をつなぐ」です。18日から2回にわたり、富山県が新しい登山道を整備している現場を訪ねて取材した様子をお伝えします。険しい道のりを越えた先には美しい景観が待ち受けていて、そこで登山道を造り、守っている山男たちの思いを知ることができました。


立山にも秋の風情が感じられる中、登山道の工事を請け負う会社の担当者と現場に向かいました。

1日目は室堂を出発し、剱御前を越えて日本三大雪渓の1つ、剱沢雪渓を経て真砂沢ロッジに宿泊。

2日目は、剱沢沿いに歩いて仙人新道に入り、仙人池ヒュッテに向かいます。ここが新しい登山道の起点です。

3日目は、一気に室堂まで下山する2泊3日の取材。総延長は31キロに及びました。

今回、同行取材したのは、奥山での登山道整備を積極的に請け負っている富山市の建設会社、ガーズ・クリエイティブ社長の北川博之さんと森大輔さんの2人。

雷鳥沢から剱御前までは急な登りに息が上がります。

ガーズ・クリエイティブ　北川博之社長
「今回は全体の工事の進捗と、あとは私が一応工事の社内検査員になってますんで、それの社内検査と、あと安全パトロールですか、それが主な目的で」

新しく作っている現場はもちろん、そこに至るまでの登山道が安全かどうかも見て回ります。

数家直樹解説委員
「標高およそ2750mの剣御前小屋前です、ここから剱沢を経由して新しい登山道を作っている現場へと向かいます。今日は残念ながらこちらから剱岳を望むことができません」

それでも剱沢に向かっている途中には。

数家直樹解説委員
「剱岳の山頂が見えてきました、ラッキーです」

目指すのは、この剱岳の裏側で切り開いている新しい登山道の現場です。

「何用のロープなんですか？」
「（剱沢）雪渓を渡れなくなると、登山者が通れないので、そこの巻き道（迂回路）を作るために必要なんで」

剱沢雪渓は例年以上に雪解けが進んでいました。すると、先行していた北川さんが…

ガーズ・クリエイティブ　北川博之社長
「救助要請ありです。一般登山者は転倒により頭部負傷、了解」