高校生写真家 ふるさと富山を撮る
上市町の高校3年生が地元・富山の風景をとらえた写真の展覧会があすから開かれます。個展に臨む高校生が写真、そしてふるさとに寄せる思いとは。
富山の日常風景を切り取った印象的な写真。
「きたきた!」
撮影したのは上市町に住む高校3年生、冨樫 幸太郎さんです。
あすから地元で開く高校時代最後の個展に向けて準備を進めていました。
「車乗っていたら中々撮影できないところを、歩いているから見つけられる景色を高校生(が撮影した)という視点で見てもらいたい」
富山の風景を切り取る「その時にしか撮れないものを」
冨樫さんは「こーたろー」の名前でインスタグラムなどに富山の風景写真を投稿しています。
中には5000件近くのいいねが付く写真もあり、海外からメッセージが届くことも。
不二越工業高校3年の冨樫さん。
学校帰りには毎日のように撮影に出かけます。
「毎日風景写真を撮ってて、その時にしか撮れない風景を自分が記録として残しています」
一瞬を”待つ”スタイル
受賞写真中学2年生の時、スマホで写真を撮り始め、その才能はすぐに認められました。
中学3年生でSDGsを題材としたコンテストに応募した、滑川市の海岸で映した作品が、滑川市の夕日写真1000点あまりの中から優秀賞に選ばれるなど、これまで13の賞を受賞。
高校に入ってからは、母から譲り受けた一眼レフで撮影し、現在はアルバイトで貯めたお金で購入したカメラを使っています。
冨樫さんの撮影スタイルは「ひたすら待つ」こと。
「長い時は9時間、10時間待つことがあり、その先に一瞬だけ撮れる写真があってその一瞬を切り取れるようになりたい」
剱岳を見つめ「違う表情がある」
ファインダーをのぞいていると時間を忘れてしまいます。
冨樫さんにはレンズ越しに見つめる大好きな風景があります。
「自分が大好きな剱岳。朝焼けや夕焼けで真っ赤に染まるときもあれば紫の空にもなって、同じ形だけど違う表情を見せてくれる」
高校生最後の個展 未来を見据え
今回の個展の舞台は海外からの人なども宿泊するゲストハウスです。
地元で高校時代最後の作品展を開きたいと申し出たところ、快く受け入れてもらいました。
テーマは「つるぎに見守られる、街と暮らし」
この春、高校を卒業する冨樫さん。
東京の写真専門学校に進学しますが、富山への思いは変わらないといいます。
「地元の風景写真を撮影する広告写真家になりたくて、最終的には海外に向けて富山を発信したい」
高校生写真家は今回の展覧会をステップに新たなスタートを切ります。
冨樫さんの写真展はあすから今月27日まで上市町のゲストハウスmetateで開かれます。