去年は浸水被害 立山町・白岩川ダム「緊急放流」想定の訓練
大雨による災害が発生しやすくなる梅雨の時期を前に訓練です。立山町ではダムの「緊急放流」を想定して情報を住民に発信する訓練が行われました。
「立山町役場です。今、緊急放流を行う可能性があると連絡が入ったということです」
「今第一報で緊急放流予告通知がきたので…」
立山町では、ダムに流れ込む水をそのまま下流に流す「緊急放流」が白岩川ダムで行われる可能性があるという想定で、職員が住民に警戒を呼び掛ける訓練を行いました。
防災行政無線
「大雨の影響により、白岩川ダムの緊急放流が行われる可能性があります。白岩川付近から離れて下さい」
15日は、役場や白岩川ダム近くの防災行政無線が適切に作動するかなど確認が行われました。
県が管理する立山町の白岩川ダムは、2023年6月、記録的豪雨により貯水量が限界に近づいたことから緊急放流を行い、下流に浸水の被害が出ました。この際に、自治体や住民への情報伝達が遅れたことが課題となったことから、県は、ダムや上市町も含めた下流域で警報設備を更新するとともにスピーカーを増設しました。
県は、市町村への情報提供についてリアルタイムで複数の人が文字入力できるチャットを新たに活用し、15日の訓練でも確認しました。
また立山町は、防災行政無線のほかに町独自のSNSを活用し住民に情報を発信しました。
立山町総務課 髙江航係長
「基本的には県と町との情報共有のあり方というところで、とどまっていたんですけれども、今回は町の方から住民の方に避難情報を共有させていただく、お知らせをさせていただくことまでは踏み切ったところではあります。こういった訓練を通して、こういった災害がおこるものだよ、ということを改めて共有したいなと思っております」
県は、あらかじめ登録した住民への緊急メールの配信などを、6月下旬までに始められるよう準備を進めています。
2023年6月と7月の大雨による県内の被害は、農地や農業用施設で2472か所、住宅が831棟などにのぼりました。住民の命と財産を守ることは行政の最も大切な役割で、私たち一人一人の防災の備えも重要です。