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戻らない風景 被災の爪痕いまも 富山県 「1か月経つけれど変わってない」

2024年2月1日 19:51
戻らない風景 被災の爪痕いまも 富山県 「1か月経つけれど変わってない」
能登半島地震は、県内の広い範囲に爪痕を残しました。地震発生直後とそれから1か月の今、被災地の様子の移り変わりと人々の思いを追いました。

「バリバリバリ」

1月1日の地震発生時、視聴者が高岡市の伏木駅前で撮影した映像です。

岡川春樹記者
「アスファルトのひび割れ、揺れ動く様子が撮影されたのはこのあたりです。あれから一か月、道路は現在も完全には復旧されていません」

地震による液状化で道路や住宅の損傷など被害が広がった高岡市伏木。大きく傾いた建物は、今週ようやく解体作業が始まりました。しかし、生活再建への道のりは遠いままです。

伏木地区の住民
「もう一か月経ったけれども現状はあんまり変わっていないみたいな。ちょっと複雑な気持ちですね」

建物が被害を受け、営業を続けられなくなった鮮魚店。1月30日再び訪ねると、片付けが続いていました。別の建物での再開を検討しています。

向井留美子店主
「まだやらんが、店せんがってみんな声かけてくれはるもんで、もうちょっとかかんがやぜいうて言うとんがやけど。ね、大変」

氷見市でも建物の被害に加えて水道管の破損による市内全域での断水など影響が広がりました。1月4日からは災害ごみの受け入れが開始。運び込みは、今週になっても続いています。地震で使えなくなった家財道具が山積みとなりました。

氷見市民
「二十何回持ってきた。倒壊の赤紙を貼っていかれた。寂しいのと片付けなきゃいけないのが混在して何とも言えない」

氷見漁港近くにある観光施設「ひみ番屋街」は地震の後、ほとんどの店が休業していましたが…。断水が解消して再開する店が少しずつ増え、1月27日には全ての店で営業を再開。各地から訪れた買い物客や観光客でにぎわいが戻り始めています。

東京からの観光客
「これはブリですね。半身を2人で分けて買いました。食欲をそそられるというか。楽しいですね」

地震の発生から1か月。復旧は少しずつ進んでいますが、被災者の日常が戻るにはまだまだ時間がかかります。

改めて映像で見ても、被災地では、復旧にはどこから手を付けたらよいかという状態だと分かります。暮らしに寄り添う支援を具体的に、速やかに行うことが必要と感じます。
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