知っていますかクーリングシェルター 熱中症防ぐために 富山の取り組み
近年、極端な高温となることが増えるとともに、熱中症のリスクが高まっています。こうした中、富山県内各地で設置が進んでいるのが「クーリングシェルター」です。誰でも利用できますが、一体どんな施設なのでしょうか。
街頭でインタビュー クーリングシェルターをご存知ですか
「涼しいところ?」「知りません」「(聞いたことが)ないです」「なにそれ」「利用できるんだったら使いたい」「近くにあれば選択肢が増えるのでありがたいな」
クーリングシェルターとはどういうものなのでしょうか。
山田佳奈記者「クーリングシェルターと書かれたこちらの施設。中に入ってみると冷房が効いていて、暑い屋外と比べて過ごしやすくなっています」
「クーリングシェルター」は、熱中症対策に、冷房を効かせた空間を誰でも利用できる休憩場所として開放する施設です。
県内では各自治体により、図書館などの公共施設やショッピングセンターなど、合わせて180か所が指定されています。
この取り組みは、今年4月から始まった熱中症特別警戒アラートの運用に合わせて始まったもので、気温や湿度などから算出する「暑さ指数」が、県内すべての観測地点で35以上と予想された場合、施設を一般開放します。
県全域で暑さ指数が35以上となったケースは過去ありませんが、危険な熱災害となる恐れがあります。
舟橋村総務課 工藤拓也主任「熱中症特別警戒アラートが出るということは、非常に危険な暑さを伴いますので、外出しているとか、どうしても出かける際には、涼む場所として活用いただければと思います」
県内で去年5月から9月の間に、熱中症の疑いで搬送されたのは772人にのぼり、過去最も多くなりました。このうちおよそ6割を占めたのが65歳以上の高齢者です。
今月8日には富山市の畑で80代の男性が倒れて死亡しているのが見つかりました。熱中症の可能性があるとみられています。
危険な暑さから高齢者を守ろうと、舟橋村では新たに独自の取り組みを進めています。
民生委員 古川さん「きょうは熱中症予防の温湿度計と飲料を持ってきました。毎日暑いので」
この日、民生委員が一人暮らしの高齢者の自宅を訪ねました。手渡していたのは温湿度計。高齢者は暑さやのどの渇きを感じにくくなってしまうので、温度や湿度を目で確認し熱中症の予防をしてもらうためです。
民生委員 古川さん「この温度と湿度ね。赤いところが出たら、即エアコンつけたり、水分補給したり、塩分補給したりして熱中症予防のために使ってほしい」
住民「1人暮らしだとどうしても不安な時があるんですね。ちょくちょく見回ってくれているんですよ。ありがたいと思います」
舟橋村 田中勝生活環境課長「自分の家にクーラーがなかった場合などは、役場、図書館、会館を(シェルターとして)設けていますので、そちらの方に避難していただくこともPRしながら配っています」
また、炎天下でのシェルターへの移動はかえって命の危険におよぶ恐れもあるため、村では送迎サービスの実施について検討を進めています。
舟橋村 渡辺村長「災害も猛暑対策も一緒で、自助があって、共助があって、公助があってという中で、この3段階の層を設けることで1人でも多くの方が熱中症にならない環境につながると思っています」
災害級の暑さとなったとき、どう行動するか、日ごろからの備えが大切です。