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2つの震災で得た「命を守る」教訓 阪神・淡路大震災から29年

2024年1月17日 19:13
2つの震災で得た「命を守る」教訓 阪神・淡路大震災から29年
6400人を超える犠牲者を出した阪神・淡路大震災から17日で29年です。当時、被災した人たちは今回の能登半島地震をどう受け止めたのか。まずは、県内で再び被災した男性に話しを聞きました。

菊地光さん
「建物がゆがんでいるような感じ、部屋が。ひずんでいるような感じで、倒壊するかと思いました」

氷見市の市街地に住む菊地光さん。元日の地震発生後、家族で市内にある高台の施設へ避難しました。かつて被災した阪神・淡路大震災の記憶がよみがえったと話します。

菊地光さん
「あのときにテレビで見た状況と、今回テレビやSNSで見た(輪島市の)火災の状況が、重なるところがありますね。当時のことを思い出したというか…」

1995年1月17日の早朝に発生した阪神・淡路大震災。マグニチュード7.3の巨大地震により、6434人が亡くなりました。 大阪に住んでいた当時、大学生の菊地さんは無事でしたが、 多くの人が受けた甚大な被害を目の当たりにしました。

菊地光さん
「大学の同級生で、尼崎からきていたので、その子は家が倒壊して…」

あの大震災から29年。氷見で再び被災し、備えの大切さを痛感したと話します。

菊地光さん
「リュックに必要なものが入れてあったりとか、車に毛布を積んで、必要なものはすぐ持って逃げられるようにしています。油断した時に地震が来るので、(防災の)意識を保ち続けておかないといけないかなと思っていますね」

今回の能登半島地震における被害も甚大です。死者は200人を超え、全半壊や一部破損した住宅は2万1000棟に及びます。自らも阪神・淡路大震災で被災した地震の研究者は、今回の地震の大きさは29年前の地震をはるかに上回るものだと指摘します。

日本地震学会 西影裕一さん
「今回の地震はマグニチュード7.6で(内陸型では)2番目か3番目に大きい地震だと思っています。阪神・淡路大震災はマグニチュード7.3ですので、0.3違います。0.3くらいでは大した違いではないと思うかもしれないが、0.2違うと(地震のエネルギーが)約2倍違うんです。阪神・淡路大震災2.5回分くらい起こったのが、今回の地震1回分で、それほどすごいエネルギーの地震だったんです」

西影さんは1月4日に氷見市に入り、現地調査を行いました。他の被災地と比べて、液状化が目立ったと話します。

日本地震学会 西影裕一さん
「液状化現象がひどくて、噴砂現象が見られて、至る所で砂が噴出しているというのが印象的でした。住宅を再建するときに、地盤改良を行わないと、次に地震が起こるとまた液状化現象が起こる可能性がありますので、同じ被害が起こるのではないかと、心配はしています」

国内では、マグニチュード9クラスの南海トラフ巨大地震が近い将来に起こる可能性を指摘されています。西影さんは、命を守るために日頃からの備えの大切さを呼びかけます。

日本地震学会 西影裕一さん
「今、自分がいる場所で地震が起きたらどうすればよいか、イメージトレーニングをして考える必要がある。家族で話をして、もし地震が起きたらどこに避難するか、一時避難は空き地でいいんですが、二次避難は小学校に行くとか、そういうのは家族で話し合っておく必要がある」

今回、県内で初めて震度5強の揺れを観測してどうすればよいか迷ったり慌てたりした人もいたのではないのでしょうか。巨大地震はどこでも起こる可能性があります。阪神・淡路大震災や今回の能登半島地震などの経験や教訓を語り継いでいかなければなりません。
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