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富山県内 “液状化現象” 被害拡大の背景は 能登半島地震

2024年1月15日 19:53
富山県内 “液状化現象” 被害拡大の背景は 能登半島地震

今回の地震では、県内各地で液状化現象が発生し建物や道路などへの被害が相次ぎました。被害が拡大した背景について専門家は「地盤の性質」にあるとして、対策の必要性を指摘しています。

道路陥没など県内の広い範囲で発生した「液状化現象」。住宅地では、地面から土砂があふれ住民が片付けに追われました。

ボランティアの男性
「泥っていうより、海岸の砂浜掘っている感じですね」

住民
「これは液状化ですね。ここは液状化」

液状化現象を模型で再現した実験映像です。水分を含んだ土の上に建物や橋の模型が設置されています。ここに振動を加えると…地表部分に液体が溢れ、建物は全て倒れてしまいました。

地中では土の粒子が互いを支え合い、その隙間を水が満たして地盤を支えていますが、地震の激しい揺れを受けると、土の粒子がバラバラになり、水が地表に流れ出すため、地盤の沈下などを引き起こします。

一般的に、液状化は地盤に水分を多く含む海沿いや埋立地などが起こりやすいとされますが、今回は街なかでも広がりました。
高岡市の市街地にある住宅団地では建物が大きく傾く被害がでました。庭の地面には大きな亀裂も。

菅原裕子さん
「家の下も。家の下も通って隣のうちも、もう一軒隣のうちもずーっと繋がってる。」

県内で液状化現象が拡大した背景について、専門家は「粘土質の地層」を指摘します。

富山県立大工学部 兵動太一講師
「粘土って水を含みやすいんですよね。埋め立て地に近いような状態も起こります」

この地図は、国土交通省北陸地方整備局が公表している県内の「液状化しやすさマップ」です。
液状化の危険度を5段階で示すもので、なかでも県西部は、液状化の危険度が高いとして赤やピンクで色付けされた場所が海沿い以外にも広がっていることが分かります。

また兵動講師は、県内で被害が拡大した原因に最大震度5強と激しい揺れが長く続いたことを挙げ、危険度が低いとされた場所でも液状化が確認されたと言います。

富山県立大工学部 兵動太一講師
「『東はあまり液状化しなかったよ』って話だったんですけど、実際はしてるところもあるんです。魚津漁港の駐車場になるんですかね。結構大きな液状化の被害が出ていたので。そこはこのマップで見たら緑色(危険度1)なんですよ。『緑だから安心できるわけではないよ』ってことも伝えたいなと」

求められる対策は。

富山県立大工学部 兵動太一講師
「地震に関心なかった人ってのが多くて、自治体自身もそこまで重要視してなかったと思うんですよね。富山県は雪もそうですし、台風だってある。『液状化だけにお金をかけましょうよ』って話になるとなかなか難しいと思いますけど、やはりピンクだったり赤いところだったりっていうのは、液状化のリスクが高くて実際に液状化が起こっているということで、そういうエリアに重点的に対策をするっていうのは、1つの手だと思います」

兵動講師によりますと、液状化対策には地盤改良が有効としています。ただし、一般住宅の敷地の場合、工事の費用が割高になるケースが多いということで、対策については行政などとの更なる協議が必要となりそうです。

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