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ベニズワイガニ不漁 能登半島地震影響か 関係者は苦境訴え

2024年4月19日 19:08
ベニズワイガニ不漁 能登半島地震影響か 関係者は苦境訴え

富山県内で3月に水揚げされたベニズワイガニが、3月1か月としては過去最少となりました。能登半島地震による影響があるとみられていて、関係者が苦境を訴えています。清水記者のリポートです。

久栄丸船長 塩谷久雄さん
「天候も悪いのが続いているし、地震があってカニかごはなくなってしまったし、カニは入らんし。踏んだり蹴ったり」

ベニズワイガニ漁が盛んな新湊漁港です。18日開かれた恒例の”昼競り”には、この日水揚げされたカニが並べられましたが…新湊漁業協同組合によりますと、今年1月以降の水揚げ量は、去年の同じ時期と比べて4割ほどに留まるということです。

元日の能登半島地震の影響で、複数の漁業者が仕掛けておいたカニかごを失う被害を受けました。

漁師の塩谷久雄さんは、被害の復旧作業に追われ、漁を再開したのは地震からおよそ1か月後でした。漁の再開後は、水揚げが伸びないことに悩んでいます。

塩谷さん
「かごの数の半分くらい、地震の前までやっていたところに入れてみたが、全く入らんカニが。空かごで上がってくる。こんなちっちゃいカニだけ入ってくる。空かごのほうが多かった。手探りでかごの場所移動しながら探っとるわけですけれども、どこにカニおるかね」

県水産研究所によりますと、県内で3月に水揚げされた量は過去10年の平均の4割以下で、3月としては記録が残る1985年以降で最も少なくなりました。

減少した理由は、地震で海底地すべりが発生してカニが埋まったり移動したりした可能性や、カニかごが流出したことなどが影響したとみています。

影響は地元の飲食店にも。カニの水揚げが増えないため、浜値は例年より高めだと言います。

新湊カニ一番屋 大野まさみさん
「年が明けると意外とお手頃になってくるっていうのが例年なんですけど、それから比べると高値で動いているっていう感じですかね。生ものですので、その中でやっていくしかないかなというのはありますよね」

店は地震により断水などの被害を受け、3月にようやく営業を再開しました。ここ1週間は観光客でにぎわっているといいますが。

大野さん
「震災の関係で来店のお客様も少なかったというのもありまして、きょうは忙しくさせていただいたんですけれども、暇なときはカニは高いけれどもお客様が少ないというのは正直ありましたね」

ベニズワイガニ漁のシーズンは5月まで。関係者は、次のシーズンも見据えて、水揚げが少しでも回復することを期待しています。

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