宇部の旧長生炭鉱 4月の日韓共同調査を前に準備作業 排気筒・ピーヤには大量の木材が…
戦時中の水没事故で183人が犠牲となった宇部市の旧長生炭鉱で、4月に日韓のダイバーによる遺骨収集に向けた潜水調査が行われます。
調査を前に現地で20日、準備作業が行われました。
「ピーヤ」と呼ばれる2本の排気筒がいまも残る宇部市の旧長生炭鉱。
1942年に落盤による水没事故が起き、朝鮮半島出身者を含む183人が犠牲となりました。
遺骨はいまも海底に残されたままです。
犠牲者の遺骨収集を目指す市民団体では4月、韓国からダイバーを招いて潜水調査を行う予定で、スムーズに調査ができるよう、事前にピーヤから水中に入り、海底への道を塞いでいた構造物などを引き上げました。
去年から団体は掘り起こした坑道の入り口「坑口」やピーヤから潜水調査を行ってきましたが、遺骨はまだ見つかっていません。
この日引き上げたのは重さ数十キロ分の構造物…多くが木材でした。
「2m20ある」
水深20mあたりから丸太のようなものが現れ、少なくとも数メートルは積み重なっているとみられています。
(作業を行ったダイバー 戸田 政巳さん)「直径10センチくらいの1mくらいの長さの丸太状のものがものすごい量積み重なっているので、それ以上行くことがいまは不可能という状況。結構時間はかかっちゃうかなという感じ。」
(長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会 井上洋子共同代表)「4月の潜水調査に向けて本当に手作業で一歩一歩、毎日少しずつ進むというような作業を繰り返しながら、ぜひ坑道を見つけていただきたいと。」
日韓のダイバーによる共同の潜水調査などは4月1日から4日間行われる予定で、それまでに天候をみながら構造物の撤去を進めるとしています。