「レジがない店」ドームに登場 AIカメラ24台が識別 4万人が訪れる試合当日の買い物をスムーズに 福岡
福岡ソフトバンクホークスの本拠地、みずほPayPayドームに今シーズン、新たな店舗が登場します。レジがないのに買い物ができる「レジレス」店舗を、オープン前に独占取材しました。
プロ野球開幕まであと10日となった18日。
パリーグ連覇、そして日本一奪還に挑むホークスの本拠地、みずほPayPayドーム。入り口の一つ、4ゲートのすぐそばに「レジに並ばない新しい買い物体験」と書かれたポスターが登場しました。
店内をのぞいてみると。
■照屋芳樹記者
「店内に入るとゲートがあります。商品を持ったまま、レジを通ることなくそのまま出てきました。すみません、お会計はどうされたのですか。」
■男性
「入り口でクレジットカードをかざしたら、それでいいみたいで。」
こちらは、3月28日のプロ野球開幕と同時にオープンする、ホークス・スマート・スタンドです。この日は、社員向けのプレオープンが行われました。
クレジットカードで入店し「レジを必要としない店」です。どういうことかというと。
天井にずらりと取り付けられた24台のカメラを通して、AIが客の入店を確認し、行動を追跡します。手に取った商品と、その数を識別し、出口を出ると、AIが購入したと判断します。
代金は、入店時に使用したクレジットカードから引き落とされる仕組みで「レジを必要としない店」なのです。
購入した代金については、10分程度でWEB上にレシートが発行され、店内のQRコードを読み取ることで確認できます。
■照屋記者
「今回、こちらの商品を購入しましたが、 しっかりレシートに反映されています。」
アジフライについてくる無料のソースを含めて4点を購入したところ、正確にAIが購入したと判断しました。
このシステムは、AIを使ったセキュリティシステムなどを手がける企業「セキュア」が提供するもので、ホークスとともに実証実験を行います。
■福岡ソフトバンクホークス事業運営本部・朝山裕子本部長
「コンコースの混雑、主にグッズと飲食を待つお客様の時間、店舗の人手不足が運営の課題として挙がっていました。その中で、無人店舗の計画を2年前から立てていました。」
試合が行われる日には多い時で4万人が訪れ、コンコースは混雑します。球団には『観戦したい時間にコンコースにいないといけない』というような声も寄せられているということです。
球団は、クレジットカードを使うことで幅広い年齢層に利用してもらえるのではと考えていて、球団の課題解決の一助にもなると期待しています。
オープンに向けては、様々な調整が行われてきました。12日に行われた端末の設置工事では、システムトラブルが発生。
■セキュア担当者
「店舗側とクラウド側のシステムのところで、何かしらのエラーが起きているのではないか。」
オープンまでのスケジュールに影響が出そうな事態が起きたこともありました。この日は一時、クレジットカードを読みとらないトラブルが発生しました。
ホークスによりますと、AIによる最新のデジタル技術を使っているため、トラブルが起きないよう一つずつテストを重ねている段階だといいます。
一度購入したドリアを持って店内に入り、追加でスイートポテトを購入した場合、どうなるか試してみました。
■照屋記者
「もともと購入していたドリアに加え、スイートポテトを購入しました。レシートを見てみるとしっかり、スイートポテト分のみ請求されています。」
■朝山本部長
「AIのカメラ24台、防犯カメラ3台、死角のない設置になっていますので、かなり効果は期待しています。きょう受けた声を次に生かしながら、より利便性を上げていきたいと考えています。」
ホークス・スマート・スタンドは23日に1日限定でプレオープンし、28日のホークスの開幕戦から本格的な営業をスタートします。
※FBS福岡放送めんたいワイド2025年3月18日午後5時すぎ放送