75年の歴史「飛騨牛乳 」製造終了 思い出と最後のカンパイ 岐阜・高山市
21日、高山市内の小学校。来週は、修了式。このクラスで食べる給食は、21日が最後です。
給食定番の飲み物も最後の提供に。
高山市で製造されている飛騨牛乳です。高原で育った牛から絞った牛乳は味の濃さとなめらかな口当たりが特徴。
地元のスーパーでも、人気の商品。
しかし…。
飛騨酪農農業協同組合 岩長明宏 組合長:
「飛騨酪農農業協同組合は、本年3月31日をもちまして解散することといたしました」
突然発表された、組合の解散。それにより飛騨牛乳は、製造を終了することになりました。
地元で人気の牛乳が、いったい何があったのでしょうか。
飛騨酪農農業協同組合 岩長明宏 組合長:
「工場建設時の負債が大きくて、その返済が滞っていた。なんとか守ろうと思ったが結果的にこういう形になり申し訳ない」
75年続いた飛騨酪農農業協同組合。2009年に新工場を建設しましたが、費用が膨らんだ影響で、現在の負債総額は26億円に。解散せざるを得なくなったのです。
生産終了に地元の飲食店も頭を悩ませています。
高山市のヨーグルト専門店「CowCowヨーグルト」。使っているのはすべて飛騨牛乳です。
CowCowヨーグルト 奈木尚美 オーナー:
「コクと甘みが全然違う。とってもおいしい牛乳ヨーグルトが本当においしくできあがります。この辺りで手に入る牛乳を全部試してみたが(飛騨牛乳で作った物と)同じ味にならず」
代わりの牛乳では思うようにいかず、ヨーグルトの一時販売休止を決定。
1か月お店を休み、ココナッツミルクや豆乳など植物性ミルクを使った新しいヨーグルトの開発に専念するということです。
19日、高山市で飛騨牛乳との別れを惜しむイベント、“飛騨牛乳ラストナイト”が開催され、サラダからピザまですべてに飛騨牛乳を使った料理とカクテルを楽しみました。
じゃんけん大会も行われ、勝った人には、さるぼぼ風の限定のぬいぐるみがプレゼントされました。
そして、20日。給食やスーパーで販売する約4トン分。飛騨酪農農業協同組合最後の牛乳が製造・出荷されました。
組合は3月31日をもって解散、後日破産手続に入る予定だということです。
【中京テレビ 「キャッチ!」 3月21日放送より】