下関・ケミカルタンカー転覆事故から3週間…地元の漁業関係者からは不安の声
天候悪化のため下関沖で停泊していた韓国船籍のタンカーが転覆して3週間となります。
なかなか撤去が進まない状況に地元の漁業関係者は不安を募らせています。
下関市安岡沖の響灘です。
赤い色の船底をさらしているのが韓国船籍のケミカルタンカー「キョヨン サン」です。
安岡の港を出て15分程で船が転覆している海域に着きました。
(石崎記者)
「ケミカルタンカーが転覆した海域にやってきました波によってタンカーが大きく揺れているのが分かりました」
ケミカルタンカーの船首側です。
白波をかぶる鉄の塊・・
水深は、24m
大きなクジラが漂っているようにも見えます。
周囲では、タグボートや海上保安庁の巡視船が警戒に当たっていました。
「キョヨン サン」が転覆したのは、先月20日・・。
門司海上保安部によりますと、午前7時過ぎ、天候悪化のため錨を下ろして停泊していた「キョヨン サン」から「船が傾いた」と救助要請がありました。
当時、下関には、暴風警報が発令されていました。
船には、インドネシア人や韓国人など11人が乗っていましたが、生存者はわずか1人・・これまでに9人の死亡が確認され残り1人の行方は、まだ分かっていません。
ケミカルタンカー「キョヨン サン」が転覆して3週間…
船には、刺激臭のあるアクリル酸、980トンが積まれたままとなっています。
また、今のところ、漁業に大きな影響は出ていないという事ですが、転覆している海域は関門航路に近く、船の往来も多いため2次的な事故を心配する声も出ています。
(地元の漁師)
「大型船も航行しますし、小型船も航行しますし衝突して2次被害もし油なんかが流出すると不安ですよね漁場としては使ってますサワラ釣りの方とかイカ巣かごもやってますし」
地元では、一刻も早い撤去を望んでいます。
門司海上保安部は、「船主側が手配した業者により早期撤去に向けた作業が進められていると聞いている引き続き働きかけをおこなっていく」とコメントしています。