被災地に春告げる 輪島で300年以上続く「曳山祭」 開催危ぶまれるも規模縮小して開催
輪島の2つの神社で300年以上続く春祭り、「曳山祭」。輪島塗の山車が全壊するなど、大きな被害を受けましたが、ことしも規模を縮小して開催され、輪島のまちに春の訪れを告げました。
きょう、輪島市鳳至町にある住吉神社で行われたのは、「曳山祭」の神事。「曳山祭」は輪島市の「重蔵神社」と「住吉神社」で300年以上前から行われている春祭りです。
厄年の男衆らが輪島塗の山車を桜の花で飾り付け、街を練り歩いて輪島に春の訪れを告げます。地震で本殿が全壊した「住吉神社」では曳山祭の山車を保管していた倉庫も崩れ、山車そのものが全壊し祭りの開催が危ぶまれていました。
しかしきょう。
住吉神社 浅井則家 宮司:
「少しでも元気になってもらえればと思っております。まだ早いんじゃないかとか反対する方もいるかもしれませんが、喜んでいる方もいるはずですので、やりたいと思っております」
神社の氏子らおよそ10人が集まり神事を開催。そして、ことしは曳山のかわりに小さな台車に御霊を乗せて神社を出発。2か所の避難所を含め町内を1周しました。
沿道の人:「やっぱ嬉しいですねこういう形でもできると」
沿道の人:「本当に涙が出そうになりました。数十年前に私らもメンバー中心になってやったお祭りで一瞬思い出して」
一方朝市通りのある河井地区の「重蔵神社」はあさって、御神輿の巡行を行うということです。