×

断水続く珠洲で…地震から2週間で再開した海沿いの美容室 水道の復旧を待ちながら…

2024年2月22日 18:59
断水続く珠洲で…地震から2週間で再開した海沿いの美容室 水道の復旧を待ちながら…

珠洲市三崎町には地震被害に遭いながらも髪を整えたいという人たちの要望を叶えようと、断水が続くなか営業を続ける美容室がありました。

珠洲市三崎町の海沿いにある美容室。

店主は76歳の茨幸代さん。

40年以上にわたりこの場所で髪を切り続けています。

20代の頃、大阪で修業をしたあと地元に戻り店を開きました。

断水が続く今、お客さんは一日2人限定です。

「シャンプーとかは、もしあれならここに湯を沸かしているからそれでするんです。大きな鍋に入れて、こっちも入れて学校に水頂いてきて」

この日のお客さんは、自宅が倒壊しすぐ近くの避難所に身を寄せている女性です。

客:
「2か月ぶりかな」
茨さん:
『あらそうけえ~』
客:
「12月、正月前に切ったきりだから」

「ベリーショートですね」
「この辺ハネて伸び放題なのできょうはきれいにしようかな」

茨さん自身も地震直後しばらくは店を閉め避難所生活を送っていたそうです。
建物に大きな被害がなかったことからお客さんのためにと2週間後には営業を再開しました。
伸びた毛にハサミが入るリズミカルな音が店内に響きます。

30分ほどでカットが出来上がると。

お客さんにも自然と晴れやかな表情が浮かびました。
「すっきりしました」
「クセがあるからここがピンと、すぐここが伸びたらハネるんです」

最後は店を出て目と鼻の先にある避難所まで女性をお見送りです。

「お客さんは減ります、完全に。けど残ってらっしゃる友人、お客さんもいるから、暇になっても周りの草とか掃除できるし、綺麗にしていこうかな」
「80歳ぐらいまで続けられたらいいな、って。あと4~5年だけど」

水道の復旧を待ちながら地元の人たちを支え続ける決意を笑顔で語りました。

テレビ金沢のニュース