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エサの備蓄があと3日…A5和牛「能登牛」を守りたい 牧場に泊まり込みで奮闘

2024年1月17日 20:38
エサの備蓄があと3日…A5和牛「能登牛」を守りたい 牧場に泊まり込みで奮闘

被災地では地震の影響で道路が破損し、大型車両の通行が制限されているところが少なくありません。

石川県のブランド牛・能登牛を1000頭飼育している能登町の牧場ではエサが無くなる恐れがある中、世話を続ける生産者がいます。

(14日 能登町・能登牧場)

元日の地震の直後から牧場に泊まりがけで懸命に牛の世話を続けている平林将さん。

能登牧場平林将専務「自分が育てている能登牛に責任をもっていますし、僕たちが餌や草をあげられなかったらこの子たちは食べれらなくて死んでしまう」

能登町は、石川県のブランド牛能登牛の産地で平林さんが経営する能登牧場は北陸の牧場では最も多いおよそ1000頭を飼育しています。

平林さんが育てる能登牛は黒毛和牛の枝肉に出来栄えを競う石川県と福井県の合同の品評会で8年連続グランドチャンピオン賞に輝き、牛肉の最高位A5ランクにも認定されています。

能登牧場ではさまざまな設備に大きな被害が出ました。

能登牧場平林将専務「停電で水が止まっていた時はタンクにまだ水が残っていたのでその水を汲みだしたりとか雨水をためたり雪を溶かしたりしてペットボトルに移し替えて飲ませたりしていました」

停電の影響で牛に水を与えるための機器も使えず6日に復旧するまでの間うめき声をあげる牛に夜を徹して水を与えてきました。

牛に自動でエサを与える機器は配管がねじ曲がって作動せず、人の力で1000頭の牛にエサを与えています。

それでも・・・。

平林さん「水が全然足りない」「水が飲めないせいで牛が死んでしまったりという被害が出ました」

現在 停電は復旧し水を十分に与えることができるようになりましたが平林さんは大きな不安を抱いています。

能登牧場平林将専務「餌の運搬に支障をきたしている状況でこのままだと1週間近くで餌がなくなっていくのかなと」

エサの運搬のめどが立たたず早ければ、1月20日ごろにはエサの備蓄が無くなってしまうということです。

「いつかは出荷する牛たちですが僕たちが管理しないで世話をしないで死なせてしまうことと大きな意味で天と地ほど差があ る」

平林さんたちの世話で牛は、少しづつ落ちつきを取り戻し、1月10日には牧場から7頭の能登牛を東京に出荷することが出来ました。

能登牧場平林将専務「少しでも前向きな行動を起こせればなと思って皆さんの力をお借りして出荷を行った」
「みんなで出荷をしようと決めたのは被災している皆さん石川県にとって少しでも明るい話題を提供できればいいなと考えたからです」

ブランド牛の能登牛を通じて全国に能登の底力を発信しようと奮闘する平林さんたち。
被災地には、苦難を乗り越え前を向いて歩んでいる人たちがいます。

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