2023年11月、鹿児島市の住宅で飲食店を経営する息子を包丁で刺して殺害し殺人の罪に問われた父親に判決です。鹿児島地裁は背中を刺した行為について殺意を認定し男に懲役10年の実刑判決を言い渡しました。

　判決を受けたのは、鹿児島市東坂元の飲食店手伝い、田井 幸秀被告(71)判決によりますと田井被告は去年11月、自宅で飲食店を経営する息子の田井 兆さん(当時48)の背中と太ももを包丁で突き刺し、殺害しました。裁判では田井被告に殺意があったかどうかが争点となっていました。

　6日の判決で鹿児島地裁の小泉 満理子裁判長は、「左太ももは浅い傷で背中の深い傷が死亡した原因」とした上で「背中の傷の深さは、強い力で刺したといえる。被害者が死亡しても構わないという意思があったと認められる」などとして背中を刺した行為について殺意を認定しました。

　「生命を脅かす危険な行為であり、実際に死亡という重大な結果が生じた。悪質、残虐まではいえないとしても、犯行に至る事情は芳しくない」として、懲役12年の求刑に対し懲役10年の実刑判決を言い渡しました。