“鬼界カルデラ”過去3回噴火…マグマ蓄積の過程は 神戸大とJAMSTEC研究チームが船で掘削調査
鹿児島市から南へ約100キロの場所にある海底火山、鬼界カルデラ。7300年前の噴火では南九州の縄文人たちの生活を壊滅させたと言われています。神戸大学などの研究チームはカルデラの周辺で掘削調査を行い、マグマの蓄積の過程について研究の成果を発表しました。
鬼界カルデラは鹿児島市から南に約100キロの場所にある海底火山です。東西約20キロ、南北約17キロの楕円状に海底が陥没。薩摩硫黄島と竹島は外輪山と呼ばれるカルデラの縁の部分です。鬼界カルデラの中には世界最大級の溶岩ドームがあり、巨大なマグマ溜まりがある可能性があると言われています。
神戸大学と海洋研究を行うJAMSTECの共同チームは鬼界カルデラの周辺を地球深部探査船「ちきゅう」で17キロ堀り、堆積物を採取。成分を調べマグマの蓄積の過程について21日、研究結果を発表しました。
鬼界カルデラはこれまで3回噴火しています。研究結果によりますと9万5000年前のカルデラ噴火を起こしたマグマはその時にすべて噴出。新たなマグマの供給は少なくとも4万3000年前から始まり、マグマの組成を変化させながら7300年前の噴火に至ったことが分かりました。また、1万6000年前から約9000年をかけてマグマだまりが成長し噴火を引き起こしたことも分かったということです。
(JAMSTEC 羽生毅主任研究員)
「多くのカルデラ火山は何回か繰り返してカルデラ噴火を起こす傾向がある。なのでもしかしたら鬼界カルデラも次の4回目ということがいつかは分からないがあるかもしれない」
今後は日本にあるほかの海底火山の海域を掘削して噴出物などを取り、噴火活動の歴史を調べていきたいとしています。