宮城・女川町の離島「出島」と本土を結ぶ橋が、16日朝　ついに架かった。

2024年12月に開通する予定で、島の活性化や災害時の避難道路として期待されている。

白壁アナウンサーリポート「真新しい真っ白な橋のアーチ部分が、接続箇所に運ばれました。40年来の島民の願い。本土と離島出島が繋がります」

巨大なクレーン船によってつり上げられた橋の中央部分は、長さ245メートル、重さ2500トン。

慎重に作業が行われ、16日午前9時過ぎに接続が完了した。

現在、「出島」と本土の行き来は1日3往復の定期船のみだ。

周囲14キロの離島「出島」には、島民90人が暮らしている。

島には、出島港と寺間港2つの漁港があり、ギンザケやホタテなどの養殖が島の暮らしを支えている。

島民が、「出島架橋」建設を目指す期成同盟会を立ち上げたのは44年前。

橋は、島民の悲願だった。

島民
「ようやくだ、と思った。昭和40年に嫁いだんだもの、あと2・3年で橋架かるからと言われて、あれから何十年だもの。（橋ができれば）色々な人が来るから、話相手になるなと思う」
「震災で学校閉鎖して、若い人たちがいくらかでも戻れば良いと思う」

東日本大震災で、「出島」も大きな被害を受け、一時　島民全員が本土に避難した。

震災前はおよそ500人が暮らしていたが、震災後　島に人は戻らず小学校と中学校は2013年に閉校した。

現在、閉校した学校の隣に、被災者のための集団移転団地が完成している。

16日朝、橋が架かる瞬間を見届けた島民からは、期待の声が聞かれた。

島民
「すごいね。夢の大橋かかりましたよね。（今は）天候が悪いと船で渡るのが大変なんだよね。行きたくても我慢して朝まで待つ感じで」

16日の橋の接続、は天候や海の状況から延期が続き、およそ1か月遅れで行われた。

総工費167億円をかけた橋は、島の活性化や災害時の避難道路として期待されている。

女川町・須田善明町長「(島民には)病気、けが、その他緊急時に搬送できないという ことがあった。今までは船で運 んでいたが、シケで船が出せない場合もあった。島のみなさんも、今までなかった外から人がどんどん入ってくるということがこれからありますから、先進事例の気仙沼大島とかみなさんの声をよくよく聞かせていただきながら、1年後への準備をしていければと思います」

全長364メートルの出島架橋は、2024年12月に開通予定。

開通すれば、女川町の中心部まで車を使えば15分での行き来が可能となる。