【そもそも.】<原発処理水>とは…どんな過程を経て処理が行われているのか?
今回のテーマは、「そもそも、原発処理水って?」
どういう過程を経て処理が行われているのか、改めて知っておきたい、ということで
資源エネルギー庁・原発事故収束対応室の担当者に話を聞いた。
そもそも、なぜ処理水が生まれるのかというと、
2011年に発生した福島第一原発の事故で溶け落ちた核燃料を冷やすために水が必要。
放っておくと、熱を持ってしまうので冷やし続ける必要がある。
冷却用の水や入り込んだ雨水など、核燃料に触れた水は放射性物質を含んだ水になってしまう。
ここで登場するのが、ALPSという設備。
62種類の放射性物質を取り除く能力が、ある。
イメージとしては、何種類ものフィルターへ放射性物質を含んだ水を通して、フィルターで放射性物質を引っかけ吸着するイメージだが、このALPSに通して、放射性物質が基準値を下回るように取り除く。
ALPSによって、水の中に含まれる全ての種類の放射性物質を取り除くことが出来るのかー。
実は、1つだけ『トリチウム』という物質だけ取り除くことが出来ない。
なぜかというと、『トリチウム』という物質は酸素と結びつきが非常に強く、水から引き離す・取り除くのが困難だということなのだ。
とはいえ、処理水は日に日に増える一方で、保管場所にも限りがある。
そこで、去年8月から海への放出作業が行われているが、放出する際には『トリチウム』の割合が世界基準を大きく下回るよう、海水で100倍以上に希釈して放出しているそうだ。
今年度は、7回に分けて5万4600立方メートルの処理水を放出予定だ。
25メートルプールにして、およそ110杯分になる。
放出はいつ終わるのかー。
今後の進捗によるところが大きいが、廃炉目標である2051年までには終了させる見込みだ。
また、福島や宮城も含めた周辺の漁業者に対しては、この「廃炉の時点でも漁業者の皆さんの生業が継続していることが重要。今後も説明を重ねていきたい」としている。