宮城県大崎市鳴子温泉の住宅では、先月下旬から庭先に熊が現れる。見た目からツキノワグマとみられている。カメラを設置した男性によると、毎日、夜になると庭先のクルミの木の近くに姿を見せ、「カリカリ」と音を立てながらクルミを砕いている音が聞こえるという。

【増加するクマ目撃・・・「ブナの実の大凶作」が要因か】

宮城県内では今月2日までにクマの目撃情報が「622件」寄せられていて、去年、そして過去5年間平均と比べて増えていることから、県内全域に「クマ出没注意報」が発表された。
増加している要因の1つとして県が指摘するのは、クマが好む「ブナの実」の大凶作。それによって、人里でクマの目撃が増えているとみている。

【隣県・岩手では「31人」がクマによる人的被害】

宮城県内ではクマによる人への被害は「2人」となっているなか、隣県である岩手県では3日までに「31人」が被害にあっている。岩手県岩泉町では先月29日、キノコ採りをしていた男性がクマと鉢合わせ、腕と足にけがをした。

＜クマと遭遇した佐藤誠志さん＞
「山奥でクマとケンカするなんてありえない。私の不注意なので。襲われてみないと危機感を感じない。油断とはそういうもの」

宮城県はクマとの遭遇を避けるため
　▼朝や夕方の行動を控えること
　▼クマ鈴やラジオを鳴らすこと
　▼大人数で行動すること
などを発信しながら注意を呼びかけている。