「教員からのアカハラで娘が自殺」幼少期からの夢をもって専門学校へ進学も…母親が提訴<仙台地裁>
<華愛さんの母>
「毎日一緒に寝てるんです。これのぬいぐるみも21年ずっと持ってたんです、華愛が。娘は荷物だけ置いていなくなっちゃった」
下田華愛(かあい)さん。去年11月、21歳の若さで自ら命を絶った。
<華愛さんの母>
「小学校の低学年でしょうかね。〝私の夢、看護婦さんになりたいです〟と。またここからたくさんの夢を考えていって、将来の進む道を。彼女は考えてたと思います。」
「人のためになれる仕事に就きたい」と、幼い頃から医療関係の道を志していた華愛さん。臨床検査技師を目指し、仙台の高校から埼玉県にある西武学園医学技術専門学校へ進学した。しかし、学校生活で待ち受けていたのは教員からの嫌がらせ、アカデミックハラスメントだったと母親は言う。
<華愛さんの母>
「怖くて怖くてたまらなくて、毎日学校に行くけれども、 学校のドアを、ドアの前には行くけど、ドアが開けられない、 そう私に言ってました。」
訴状や華愛さんの同級生の証言によると、例えば奨学金を借りていることについて、「あなたは他の人より大きな金額(奨学金)を借りてるからこの先大変よ」と、ほかの生徒の前で教員から繰り返し言われたこと。
また、実習でミスをすると「お前たちはバカか!」と怒鳴りつけられたことなどがあったという。
苦しい日々に、華愛さんは担任のほか、学校長にも相談したが、改善や対応はなく、「冗談で言ったんでしょ」などと聞き流されたこともあった。
<華愛さんの母>
「(華愛さんが)学校長に呼ばれた時も、怖さが優先して何も言えなかった。その姿を見て学校長は笑っていたと言っていました」
華愛さんはうつ病と診断され、最終的には学校を退学。その後も、自傷行為や精神科への入院などを繰り返すなか、去年11月。華愛さんは自ら命を絶った。
<華愛さんの母>
「苦しかったよね。一生懸命頑張ったのにね。ママも会いたいよ」
学校で何があったのか。第三者委員会による調査を求めても、学校側がそれに応じることはなく、大切な娘を失った母親は裁判で明らかにしようとしている。
<華愛さんの母>
「娘を亡くして悔しいです。学校のハラスメントを明らかにしてもらって、改めてもらって。二度と娘のようなかわいそうな子供たちが現れないように。それを私が伝えなければいけないと思いました」
一方、学校法人側は15日午後5時の時点で、ミヤギテレビに取材に対して「まだ訴状が届いていないのでコメントできない」としている。
訴状などによると、華愛さんは通っていた埼玉県内の西武学園医学技術専門学校で、奨学金を借りていることを他の生徒の前で繰り返し言われたり、授業中のミスに対して暴言を吐かれるなど、教員からハラスメントを受けていたという。また、教員に加えて、ハラスメントを防ぐ措置を取らなかった学校側にも華愛さんが自殺した原因であるとして、教員と専門学校を運営する学校法人に対して計6800万円あまりの損害賠償を求めている。