継承の危機、鳴子漆器にイノベーション“漆を身に着ける” ビジネススクールから事業化
宮城県大崎市岩出山のビジネススクールが継承の危機を迎える鳴子漆器に新たなイノベーションを起こす事業プランをリリースした。
今後、新たなブランド名で事業化することになる。
「鳴子漆器の魅力を国内だけではなく、海外に発信していく」
大崎市役所で開かれた公開プレゼンテーション。
岩出山のビジネススクールに通う社会人受講生が1年間かけて作った鳴子漆器の新たな事業プランを発表した。
一つ目は自宅などで使わなくなった鳴子漆器に漆を塗り直すサービス「鳴子ヴィンテージ」。
そして唯一無二の模様がデザインできる鳴子漆器発祥の龍文塗を観光客に体験してもらうプログラム「鳴子の龍流し」、酒枡に龍文塗を施し、ヨーロッパに大崎の日本酒とセットで売り込む。
さらに竹に漆を塗ったアクセサリー。
美しい艶が特徴の“漆を身に着ける”というこれまでにない発想だ。
仙台から参加
「つやがあって肌障りもすごくいいのが魅力。付けているだけで気分が上がる」
これらはただ伝統を守るのではなく新しい命をふきこむことをコンセプトにブランド名「IBUKI」と名付けられた。
この日、さっそくイヤリングは注文が入ったという。
受講生
「自信を持って提案できた。アイデアで終わらせず実行に移して鳴子漆器が100年続くものにしていきたい」
近年、漆器離れなどで継承の危機に直面する鳴子漆器。
職人の佐藤建夫さんは岩出山のローカルイノベーションスクールの受講生と一緒に新規事業プランを考えてきた。
鳴子漆器 塗師 佐藤建夫さん
「仕事が楽しくなる。よくできたねとお褒めの言葉をもらう作品や商品にしたい」
伊藤康志大崎市長も支援することを明らかにした。
伊藤康志大崎市長
「守るコンセプトではなく地域で鳴子漆器や大崎の資源を連携してコラボして地域全体を元気にする潤う提案できないかと」
早坂校長
「(事業者が)困っていることが生徒のやる気を引き出す課題を教材に変えることでイノベーションのエネルギーに変わり次のビジネスになっていく」
今後、受講生がプロデューサーとして事業化を進めるという。