こどもと接する仕事で性犯罪歴の証明求める「日本版DBS」 教育現場の現状は?<宮城県>
DBSとは大人が教育・保育現場などこどもと接する仕事に就くときに性犯罪歴などの証明を求める仕組みのことで、すでにイギリスなどで導入されている制度。
政府が閣議決定し、国会での法案成立を目指すなか、県内の現状、そして、教育現場での取り組みを取材した。
仙台市内にある学習塾。小学1年生から高校3年生までおよそ80人が通うほか、同じ建物には保育園が併設されている。
Q ここはどのような教室?
小川代表
「ここで個別指導を行っています。J同じ空間の中で必ず講師が複数人いるように、講師と生徒が二人きりにならにような空間づくりを気を付けている」
この学習塾では6年前の建て替えをきっかけに、生徒と先生が1対1で授業するときには必ず複数の大人の目が届くレイアウトを採用。
保育園では死角が生まれないように6ケ所に防犯カメラを設置するなど、様々な取り組みを進めている。
小川代表
「なるべく密室の空間ができないようになど出来る限りの対策はうっていきながら、自分たちのできる範囲で子どもたちを守れるように、働いているスタッフも守れるように運営の仕方を考えている」
防犯カメラの多さに、監視されているかのような不安を口にするスタッフもいたと言うが、もし性暴力の被害に遭えば、その傷を抱え込んだまま過ごしていく子どもがいるという現実がある。
性犯罪被害の相談を行っている「みやぎ被害者支援センター」。ここでは必要に応じて・被害者との面談や、警察への付き添いなどを行っている。
みやぎ被害者支援センター 阿部信三郎 専務理事
「性被害の相談で一番多いのは不同意性交、不同意わいせつという案件がかなり多くを占めている。特に性犯罪の場合は面識のある人から被害を受けることが多く、それが8~9割。そういったことが潜在化の要因となっている。」
こちらは県内における児童生徒からの犯罪被害相談の件数を青で、そのうち、性犯罪の被害相談を赤で示したグラフ。
相談件数のなかで性犯罪の割合は年によっては100%。去年は9割以上を占めていて、件数としても5年前と比べて4倍以上に増えている。
件数が増えている理由として考えられているのはさまざまなな窓口ができたことや支援組織が整備されたこと。
この現状を受けて、政府は「日本版DBS」の創設などを盛り込んだ子どもへの性暴力防止法案を閣議決定した。